第30号
2004年10月

新聞スクラップ


赤旗04.10.01.
小学校教諭の過労死認定
基金支部が上告断念

 京都府宇治市の小学校教諭だった荻野恵子さんの過労死裁判で、9月30日、地方公務員災害補償基金京都府支部(支部長=山田啓二京都府知事)が上告を断念し、過労死と認めた大阪高裁の判決が確定した。
 大阪高裁は、9月16日の判決で、荻野さんが脳出血で倒れて死亡したのは、学級崩壊が始まりつつあった担任学級への対応や持ち帰り仕事など、過重公務による身心への負担が原因とし、持病の脳血管疾患が原因として請求を棄却した一審の京都地裁判決を取り消し、過労死と認めた。

赤旗04.10.14.
勝ち取った「35時間労働維持」 「シュツットガルト工場6000人解雇」の脅しに
別工場でも連帯の警告スト ダイムラー社 労働者側代表に聞く

 ドイツでは経済不振の中、工業諸国でもっとも短い水準にあるドイツの労働時間の延長や人員削減を求める企業側からの攻勢が強まっている。自動車大手のダイムラークライスラーや電気機械大手のシーメンスでは、すでに労資間で合意が成立したが、自動車のフォルクスワーゲン、ドイツで180以上の店舗を持つデパート、カールシュタツトなどでは交渉が進行中。
 労資交渉で、8年間の職場保障と大枠での週35時間労働の維持を勝ち取ったダイムラークライスラー社の総事業所評議会代表の1人、ウテ・ハス氏(ベルリン工場事業所評議会議長)に聞いた。
 全国で各企業は「経費削減」を理由にした労働時間の延長や賃金カット、人員削減などを求める動きを一斉に始めている。ダイムラークライスラー社でも、経営側がこの7月、「5億ユーロ経費削減計画」を提案してきた。メルセデス生産部門での賃金調整なしの週35時間から週40時間労働への延長、夏・冬ボーナスの全面カット、残業時間の支払いカットなど。もし、労働者側がこの要求をのまないなら、メルセデス車C型クラスを生産するシュツットガルト近郊のジンデルフィンゲン工場3万人の労働者のうち6000人を解雇すると脅してきた。

赤旗04.10.24.
過労満載の現場から クロネコヤマトにみる
残業強制システム 残業時間は月150時間超
労基署職員 「40代で亡くなりますよ」

 黒ねこマークで知られるヤマト運輸(本社・東京)。郵便小包「ゆうパック」の事業拡大をめぐって訴訟をおこし、日本郵政公社と争っている宅配便の最大手です。グループの営業収入が1兆円を超える巨大企業に急成長した背景には、セールスドライバーにただ働き(サービス残業)を強要するやり方があり、過労死を運ぶ宅急便≠ニ労働者が悲鳴をあげている。
 「このままでは、夫が死んでしまいます。助けてください」。クロネコ便のセールスドライバーの妻・木村雅子さん(34)=仮名=は労働基準監督署にかけこみ、懸命に訴え。
 夫が仕事を終えると必ず携帯電話に送ってくる「いま仕事終った。帰るよ」とのメール4カ月分の記録を長時間労働の証拠として提出した。
 21時23分、20時58分、21時35分、20時57分…。7月分(6月16日から7月15日までの30日間)の「帰るメール」の受信時間は、午後9時前後の時間がずらり。
 出勤日数は22日。雅子さんの夫は、午前6時には家を出て、6時15分から仕事を開始します。労働時間は1日平均15時間、月330時間になった。残業時間は優に150時間を超えている。
 資料に目を通した労基署の職員は開口一番、真顔でいった。「このままでは、ご主人は40代で亡くなりますよ」。厚生労働省は、「月80時間の残業で過労死する危険がある」と基準を示している。その2倍近い長時間残業。

赤旗04.10.25.
過労満載の現場
ポータブルポス 40時間超える分は払ったことに

 「こんにちは、宅急便です」―。荷物を受け取るとき、ドライバーが携帯電話のような機具で伝票のバーコードを読みとる。「ポータブルポス」(略称PP)といって、集荷から配達完了まで中央のコンピューターで管理し、荷物がどこにあるかを把握するシステムの携帯端末。ヤマト運輸が開発した。
 「これがくせもので、これで労働時間をごまかしています」というのは、田中はじめさん(39)=仮名=。準社員のセールスドライバーとして関東地方のある営業所で6カ月間働き、2カ月前に退社した。「ヤマト運輸はサービス残業(ただ働き)をさせるためのシステムが確立している」と告発する。

赤旗04.10.29.
ILOが労働時間で報告
週50時間以上の労働者の比率 日本は28%を超え最悪

 国際労働機関(ILO、本部ジュネーブ)がこのほど公表した報告書によると、労働者のうち週50時間以上働く人の比率は、英国を除く西欧諸国で10%以下であるのに対し、米国、オーストラリア、ニュージーランドと日本で20%を超えていることが明らかになった。日本では28.1%で、調査対象になった工業国の中で最高。
 ILOの「労働雇用条件計画」というプロジェクトでまとめた報告書『工業諸国での労働時間と労働者の選択」均衡を求めて』によると、1990年代末の時点で米国とオーストラリアでは週50時間以上働く労働者の比率は20%にまで増加している。調査対象どなった国の間で、この比率が両国を上回るのは日本とニュージーランド(21.3%)だけ。
 これに対して欧州連合(EU)諸国ではこの比率は低く、オランダではわずか1.4%、ギリシャ、アイルランドでは6.2%。英国だけが群を抜いて15.5%。
 報告書は、米国、英国、オーストラリアなど法的な労働時間規制が貧弱な諸国で長時間労働の事例が多いことを指摘。また、パートタイム労働で十分な時間働くこどが困難な労働者が増え、その中にはフルタイムの雇用を望みながらパートタイムを余儀なぐされ、健康保険や年金などがない劣悪な条件で働く労働者がいると分析している。


メールマガジンダイジェスト

メールマガジン労働情報/No.90(04.10.1.)

オランダなどでテレワークの普及が加速/国際テレワーク会議2004

 「国際テレワーク会議2004」が9月6〜9日、ギリシャのクレタ島で開かれた。14カ国から55名の学者、コンサルタント、団体役員が参加。
http://www.japan-telework.or.jp/news/news_041001.html


メールマガジン労働情報/No.91(04.10.6.)
硝子協同組合の時短計画を承認/東京労働局

 東京労働局は9月30日、時短促進法に基づき、9月9日付けで東京硝子製品協同組合の労働時間短縮実施計画を承認したことを公表した。
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/gyousei/20041006b.htm
(東京労働局サイト)
http://www.roudoukyoku.go.jp/news/2004/20040930-jitan/20040930-jitan.html
「男性従業員の育休取得促進で何らかの措置」は3割/人事院

 人事院は9月30日、「民間企業の勤務条件制度等調査」の結果を発表した。男性従業員の育児休業の取得を促進するために何らかの措置を講じている企業の割合は29%。
http://www.jinji.go.jp/kisya/0409/kinmujyoken.htm

シンポジウム「人間らしい労働時間規制を」/日本労働弁護団

 日本労働弁護団は22日、東京・神田駿河台の総評会館で「人間らしい労働時間規制を」と題してシンポジウムを開催する。
http://homepage1.nifty.com/rouben/kouza.htm

ゆとりと過重労働を考えるシンポジウム/愛知労働局など

 愛知労働局などの主催する「ゆとりと過重労働を考えるシンポジウム」が11月9日、名古屋市東区のウィルあいち(愛知県女性総合センター)で開かれる。
http://www.aichi-rodo.go.jp/topics/docs/04-09-27-1.html


メールマガジン労働情報/No.92(04.10.8.)

「長時間残業110番」を実施/日本労働弁護団

 日本労働弁護団では23日を中心に全国各地で「長時間残業110番」を行う。長時間労働や不払い残業の問題をめぐる相談に弁護士が対応する。
 電話番号は東京03-3251-5363、大阪06-6361-8661、愛知052-682-3211など。
http://homepage1.nifty.com/rouben/soudan1.htm


メールマガジン労働情報/No.93(04.10.13.)
日商で不払い残業1,000万円/1〜7月で職員約70人分

 共同通信によると、日本商工会議所が4月下旬に中央労働基準監督署の立ち入り検査を受け、不払い残業(サービス残業)を指摘されていたことが9日、分かった。
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/gyousei/20041013.htm

メールマガジン労働情報/No.94(04.10.15.)

小売店の営業時間、規制撤廃へ/タイ
http://www.jil.go.jp/foreign/nna/backnumber/1014thailand.htm


メールマガジン労働情報/No.97(04.10.27.)

11月を「賃金不払い残業解消キャンペーン月間」に/厚労省

 厚生労働省は11月を「賃金不払残業解消キャンペーン月間」とし、賃金不払残業(サービス残業)の解消に向け、労使の主体的な取り組みを促すキャンペーンを展開する。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/10/h1025-2.html

サービス残業認め賠償命令/元関電子会社社員が勝訴

 共同通信によると、関西電力子会社の電気工事会社「関西テック」(現かんでんエンジニアリング、大阪市)の元社員(31)が残業手当の未払い分など約600万円の支払いを求めた訴訟の判決で、大阪地裁は25日までに、同社に約550万円の支払いを命じた。
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hanrei/20041027a.htm

25歳看護師の過労死認めず/残業月48時間、休日も確保

 共同通信によると、国立循環器病センター(大阪府吹田市)の看護師=当時(25)が死亡したのは、過重な長時間労働が原因として、両親が国に約1億4,000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は25日、請求を棄却した。
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hanrei/20041027c.htm


メールマガジン労働情報/No.98(04.10.29.)
豪・NZの長時間勤務者2割超
http://www.jil.go.jp/foreign/nna/backnumber/1029australia1.htm


ILO駐日事務所メールマガジン


日本経団連ホームページ新着情報案内サービス


労働組合・職員団体の情報

全労連

連合
「不払い残業」に関する相談を受付ます/賃金・雇用を考える(連合生活アンケート)
http://www.jtuc-rengo.or.jp/new/kangaeru/koyou/overtimework/index.html

全労働省労働組合

日本自治体労働組合総連合


行政情報 国際労働機関
ILOの新刊書、先進諸国における「まともな労働時間で働く人々の不足」を調査(英語原文) 2004年10月22日
 労働時間が週50時間を超える労働者は、欧州諸国の大半では労働力の1割に達しないが、米国、オーストラリア、ニュージーランド、日本では2割を超えると、ILO労働・雇用条件計画の専門職員ジョン・メッセンジャーが編者となり、米国の出版社Routledge社よりこの度出版される新刊書「Working Time and Workers' Preferences in Industrialized Countries: Finding the Balance(先進諸国における実際の労働時間と労働者が希望する労働時間の調和の探求・英文)」は記している。オーストラリア、欧州連合、日本、ニュージーランド、米国といった先進諸国の労働時間を扱った本書のデータは、実労働時間と労働者が希望するまたは必要とする労働時間の間には大きな差があることを示し、例えば米国では全労働者の半数が労働時間の短縮を希望している一方、欧州では労働時間 20時間未満の労働者の46%が労働時間の延長を、週50時間以上働いている労働者の81%が短縮を希望していることを示している。
http://www.ilo.org/public/english/protection/condtrav/publ/wtwo-jm-04.htm

ILOの新しい報告書、メディア・文化・グラフィック部門の仕事の未来と質について検討(英語原文) 2004年10月15日

 「情報社会における仕事の未来と質」をテーマに、10月18〜22日の日程で、ジュネーブで開催されるメディア・文化・グラフィック部門の産業別会合に提出される討議資料(The Future of Work and Quality in the Information Society: The Media, Culture, Graphical Sector)は、ニューメディア、マルチメディア、情報通信技術は、ジャーナリスト、編集者、アーチストといったメディア、グラフィック、文化部門で働く人々に対する需要を高めるかもしれないが、仕事の質と労働条件が損なわれる可能性があると記している。
 一方で報告書は、仕事の質、雇用機会へのアクセス、ライターや実演家の作品に対する著作権保護といったような特定の問題の存在や、訓練が新たな課題となっていることを指摘する。例えばジャーナリストの仕事は今でも労働時間や昼食休憩時間が不規則で、契約も不安定なのが、情報通信技術の影響により時間的制約がさらに強まり、最新の情報を提供するプレッシャーが高まるとしている。
http://www.ilo.org/public/english/dialogue/sector/techmeet/tmmcgs04/tmmcgs-r.pdf

厚生労働省



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