第29号
2004年9月

新聞スクラップ


赤旗04.09.04.
年3万人自殺lLOが批判
日本の衝撃的な苦痛の指標 高失業・過密労働関連性を指摘

 国際労働機関(ILO)は1日、「より良い世界に向けた経済安全保障」と題した報告書を公表し、「日本では過労死が広まっている。おそらく最も衝撃的な社会的苦痛の指標は、20世紀の最後の3年間に毎年3万人―交通事故死者の3倍にあたる―も自殺していることだ」と指摘した。労働市場に関する章では、日本の失業率が実質的には10%を優に超えると指摘。「失業率の劇的な増加と労働市場の不安定さは、3万人もの自殺者と関連している」とした。
 報告書は、労働者をとりまく環境について、「時間のプレッシャーと過労は精神の緊張をもたらす」「自殺は現在では主要な健康問題とみられている」と述べ、「ジャスト・イン・タイム(看板)方式」「QC(品質管理)サークル」などの日本式管理方式が世界的に広まり、労働者は「より過密な労働過程を押し付けられている」と指摘した。

赤旗04.09.05.
三重・松阪市の広報で サービス残業追放のすすめ
日本共産党市議団が提案

 「タダで残業、してませんか? させてませんか?」と、サービス残業の解消を呼びかける記事が、三重県松阪市が発行する「広報松阪」9月号に載っている。これについては、日本共産党松阪市議団(4人)が今年3月議会で、雇用問題が深刻化するもと、市のとれる行動の一つとして、広報などに「サービス残業をなくす」という文書を載せてはどうかと提案、下村猛市長も載せることを約束していた。

日経04.09.21.
不払い残業告発へ
連合、11月にも相談窓口

 連合は20日までに、残業をしたのに割増賃金が支払われない「不払い残業」が減らない現状を改めるため、悪質な会社が判明すれば労働基準監督署へ告発する方針を決めた。連合が不払い残業で告発する姿勢を示したのは初めて。
 まず不払い残業の実態を把握するために、11月ごろ、連合本部内に「相談ダイヤル」を設置し、期間を決めて相談を受け付ける。連合に加盟していない労働者の相談にも応じる。

日経04.9.23.
正社員の時短促進 厚労省が法改正
雇用多様化で新目標

 厚生労働省は、企業に労働時間の短縮を求める時短促進法を見直す。年間平均労働「1800時間」を掲げてきたものの、パート採用など雇用形態の多様化で、平均労働時間は減っても正社員には見かけほどの時短効果が出ていないことがはっきりしてきたため。同法が2006年3月末に期限を迎えるのに併せ、正社員の働き過ぎを抑制する新たな目標設定などの改善策を年内にまとめる方針だ。
 また労働時間の短縮が難しい場合の代替案として、社員の健康管理対策を企業に求める。例えば週90時間以上働く人に毎月の健康診断やカウンセリングを義務づけるなどの措置が浮上する見通しだ。

赤旗04.9.24.
欧州委員会 労働時間指令を修正へ
適用除外の条件厳しく

 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は22日、週労働時間の上限を48時間と定めた指令(EUの法律)の「現代化」をめざす修正案を採択し、欧州議会に送付した。修正案は、週48時間を超えて残業が必要となる場合の、いわゆる「(指令の)適用除外」について、@事前に書面による合意が必要であるA団体協約が労働時間の上限を別途定める場合にはこれを超える残業は求められない―など条件を厳しくした。
 現行指令では個々の労働者の同意さえあれば残業が可能であり、指令破りの乱用≠ェ批判されていたことに応えたものとされる。欧州委員会の調査によると、英国では少なくとも16%の労働者が48時間以上働いているという。
 修正案は、4カ月を単位とした週48時間の適用を1年単位に延長しており、変形労働時間の拡大が懸念される。また修正案は、医師らの「当直」では「活動時間」と「不活動時間」とを区別し、仮眠など「不活動時間」を労働時間とみなさなくてもよいとする経営者寄りの考えを打ち出している。

赤旗04.9.26.
ヘルパー8割が非正規社員
うち7割は月収10万円未満 社保協、全労連アンケート調査

 ホームヘルパーの8割以上が「登録型」などの非正規職員で、そのうち7割が月収十万円にも満たないことが、中央社会保障推進協議会(中央社保協)と全国労働組合総連合が共同実施したアンケート調査でわかった。調査は介護保険制度見直しを前に、ホームヘルパーの実態と要求を明らかにするために実施したもの。
 調査協力者2420人のうち非正規職員(契約、パート、登録など)は83.1%、その多くが、自宅から利用者宅に直行して直帰する登録型。非正規職員の月平均労働時間は50時間以下(39.2%)、50時間以上80時間未満(29.1%)あわせて68.3%が「80時間未満」の短時間雇用。そのため手当を含む月収は「十万円未満」が69.3%も。ヘルパーの賃金だけで生計を維持することができない実態が明らかになった。

日経04.09.28.
サービス残業238億円 是正指導の1184社支払い
昨年度、厚労省調べ

 残業したのに割増賃金を支払わない、いわゆるサービス残業で、2003年度に労働基準監督署の是正指導を受けた企業は全国で1184社となり、残業代の支払総額は238億7466万円に上ることが27日、厚生労働省の調査でわかった。指導された企業の平均支払額は2016万円、1人当たり平均は12万円だった。
 調査は労基署が立ち入り指導した際に、1社当たり百万円以上の不払いが見つかったケースが対象。


メールマガジンダイジェスト

メールマガジン労働情報/No.82(04.9.1.)

採用50日、過労死と認定/雑誌制作会社に賠償命令

 共同通信によると、雑誌の制作会社でアルバイトを始め約50日で急死した大阪府枚方市の廣瀬勝さん=当時(21)の母親らが、勤務していた「ジェイ・シー・エム」(東京)に計約1億1,500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は8月30日、計約4,700万円の支払いを命じた。
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hanrei/20040901.html

メールマガジン労働情報/No.84(04.9.8.)
テレワークの実施企業は約2割/経産省「情報処理実態調査」

 経済産業省が3日発表した「2003年情報処理実態調査」によると、テレワークを実施している企業の割合は19.4%で、「営業職・販売職」(33.3%)、「情報処理要員」(19.6%)、「管理職」(17.3%)、「その他の専門職・技術職」(14.3%)などの職種で実施されている。また、テレワーク実施企業の47.4%が「能力主義的賃金制度」を採用している。
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/press/0005547/index.html


メールマガジン労働情報/No.85(04.9.10.)

元日営業の自粛などを要請/連合など

 連合とサービス・流通連合、UIゼンセン同盟は7日までに、日本百貨店協会や日本スーパーマーケット協会など関係業界団体に対し、百貨店やスーパーの元日営業の自粛と当該労使による協議の拡充などを申し入れた。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/new/news/photo/20040908.html

7割以上がサマータイムの導入に賛成/札幌商工会議所

 札幌商工会議所はこのほど、7月の「北海道サマータイム導入実験」に参加した経営者や従業員を対象にアンケート調査を行った結果を発表した。「労働時間が増えた」と答えた従業員は26%で、その理由として、実験に参加していない取引先との折衝や連絡の必要性をあげた人が多かった。
http://www.sapporo-cci.or.jp/summer/summeranket20040831.pdf

「時間外労働割増賃金」をめぐり法改正/米国

 時間外労働割増賃金をめぐる公正労働基準改正法が8月23日に施行された。労働組合はこれに抗議して、同日、ワシントンDCの労働省前を始め、全米各地で抗議デモを行った。改正内容は非常に複雑。
http://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2004_9/america_01.htm

「ディーセントワークの意義」などを解説/前ILOアジア太平洋総局長
 労働政策研究・研修機構(JILPT)は8月3日、前ILO(国際労働機関)アジア太平洋総局長の野寺康幸氏を講師に招き、海外社会労働事情研究会「グローバル化の中のアジアの労働問題」を開催した。野寺氏はアジア太平洋5地域28カ国を管轄した経験を踏まえ、現在のILOの活動の柱であるディーセントワークの意義や問題点などを解説した。
http://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2004_9/ilo_01.htm

JILPT海外労働情報、特集「在宅労働の現状と課題」
http://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/labor_system_top.htm

国際シンポ「尊厳ある労働の社会的実現へ」/日本労働者協同組合連合会

 日本労働者協同組合連合会は18日、東京・渋谷の国連大学で、国際シンポジウム「尊厳ある労働の社会的実現へ」を開催する。ILO(国際労働機関)協同組合部長のJ・シュベットマン氏を招き、ILOの協同組合の振興勧告(193号)を日本でのディーセントワークの実現にどう結び付けていくのか討論を行う。
http://jicr.roukyou.gr.jp/info/JWCU25th/040918sympo.htm

「多様な働き方の実現に向けて」/埼玉労働局

 埼玉労働局は11月30日、さいたま市大宮区のソニックシティで、「多様な働き方の実現に向けて」と題したイベントを開催する。
http://www.saitama-roudou.go.jp/topics/tayounahatarakikata2004.pdf


メールマガジン労働情報/No.86(04.9.15.)
週35時間労働制の見直し議論が活発化/フランス

 フランスでは35時間労働制の見直しに関する議論が急速に強まっている。
http://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2004_9/france_01.htm

ワークシェアリング・シンポジウム/神奈川県など

 神奈川県などの主催による「ワークシェアリング・シンポジウム−多様な働き方と企業経営」が11月18日、メルパルク横浜(中区山下町)で開かれる。「ワークシェアリングの現状と課題」についてJILPTの小倉一哉副主任研究員が講演するほか、企業経営者らが参加して「企業経営の視点から多様な働き方を考える」と題したパネルディスカッションも行われる。
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/rosei/josei/WS16.htm


メールマガジン労働情報/No.87(04.9.17.)
小学校教諭の過労死を認定/京都の遺族が逆転勝訴

 共同通信によると、京都府宇治市の市立小学校教諭=当時(44)が脳出血で倒れ、その後死亡したのは過重な勤務が原因として、会社員の夫(53)が地方公務員災害補償基金京都府支部長に公務外認定の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は16日、請求を棄却した一審京都地裁判決を取り消し、過労死と認めた。
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hanrei/20040917.html


メールマガジン労働情報/No.88(04.9.22.)
長期休暇取得推進2004東京大会/東京労働局など

 東京労働局などは11月2日、東京・丸の内の東商ホールで「長期休暇取得推進2004東京大会−仕事と生活の調和をはかるために」を開く。
http://www.roudoukyoku.go.jp/roudou/jikan/2004tokyo.htm


メールマガジン労働情報/No.89(04.9.29.)
不払い残業代、約239億円支払い/03年度、厚労省の是正指導で

 厚生労働省は27日、2003年度の賃金不払残業(サービス残業)の是正結果を発表した。労働基準監督署の是正、指導の結果、全国の企業1,184社が労働者19万4,653人に対して総額238億7,466万円の割増賃金を支払っている。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/09/h0927-3.html

週休2日制導入、1,000社を突破/韓国
http://www.jil.go.jp/foreign/nna/backnumber/0924korea2.htm

平均実労働週55時間、大半で手当なし/香港
http://www.jil.go.jp/foreign/nna/backnumber/0924hongkong.htm


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国際労働機関

経済安全保障が強化する忍耐力と幸福感、そして成長と発展(英語原文) 2004年9月1日

 ILOは21世紀の活動目標を、すべての人々に「ディーセント・ワーク(まともな、人間らしい仕事)」を確保することとしているが、この度、これに関連してILOの社会・経済保障国際重点計画が4年間にわたり行ってきた調査結果をまとめた新刊書「Economic Security for a Better World(より良い世界のための経済安全保障・英文・450pp.・5,000円)」を発表した。大半の働く人々にとって経済的安全保障は依然手が届かないところにあり、好ましい保障を提供する国に住む人々は、世界人口の8%に過ぎないとも報告書は記しています。
http://www.ilo.org/public/english/protection/ses/index.htm

厚生労働省



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