第27号
2004年7月

新聞スクラップ


日経04.07.01.
「働き過ぎ」度診断します
厚労省がチェックリスト 本人・家族の2種構成

 働き過ぎが原因で死亡する「過労死」の増加が問題になる中、厚生労働省はこのほど、労働者の疲労蓄積度を診断できるチェックリストを作成した。リストは自己診断用と客観的に家族が診断できる2種類で構成。身体症状と勤務状況についての質問に回答し、仕事による負担度を判定する。
 自己診断用では身体症状について「イライラする」「よく眠れない」など最近の疲労度合いを13項目で質問。勤務状況では「深夜・不規則勤務」や「仕事の精神的負担」など7項目を聞いている。
 それぞれの採点結果をかけ合わせ、仕事の負担度レベルを0―7で判定。レベル2以上の人は働き方を見直したり、上司や産業医に相談したりするよう促している。
 家族用では「体の調子が悪そうだ」「以前と比べ疲・れやすいようだ」など対象者の最近の疲労状況を12項目、「毎晩午後10時以降に帰宅する」「仕事のことで悩んでいるようだ」など勤務状況を9項目を質問。数字が高い場合は本人と働き方を話し合ったり、医療機関での受診を促すよう呼び掛けている。
 リストは同省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp)で公開している。

日経04.07.13.
シーメンス、週40時間に
雇用維持へ労組妥協

 ドイツの大企業が労働時間の延長に動き出した。電機大手のシーメンスは国内2工場で週35.7時間から40時間に延ばすことで労働組合と合意した。ダイムラークライスラーや商用車のMANも延長を模索している。欧州連合(EU)拡大で低賃金の中・東欧との競争が激しくなり、雇用維持のため国際的に短い労働時間の見直しを迫られている。
 シーメンスは6月末、独西部ノルトライン・ヴェストフアーレン州内の2カ所の工場について、週労働時間を4十時間に延ばすことで独金属労組IGメタルと協定を結んだ。実施時期は今後2年間。労組側は見返りの賃上げを求めない内容で、時給換算では事実上の賃下げとなる。
 同社は労組と合意できなければ、対象となる2工場の生産機能を賃金が低いハンガリーに移転する考えを示していた。国内雇用を守るため、労組側も妥協を強いられた。
 労働時間延長の先陣を切ったのは、時短先進企業だったフォルクスワーゲン(VW)。VWは2001年に独ミニバン工場を分社化し、他の国内工場よりも賃金が低く、約9時間長い週38時間で残業手当なしの新制度を導入。失業者を約3870人雇用した。2007年には同様の労務制度を独ハノーバー市内のマイクロバス工場にも導入する。
 西欧ではフランスも週35時間を導入している。仏では今のところ時間延長に動く大企業はないが、仏政府は労働時間に関する規制の見直しを検討している。

赤旗07.07.15.
ドイツで労働時間延長攻撃 経営団体・保守野党 競争力を口実に主張
労働組合・知識人 雇用奪うと反対運動

 工業諸国のなかでも最も低い水準にあるドイツの労働時間について、これを延長するよう求める企業側からの攻撃が強まっている。労働組合は労働時間延長は雇用を奪うと主張、知識人などとともに「われわれの生活は仕事だけではない。人間らしい生活を」とアピール、労働者が勝ち取ってきた成果を守るたたかいに立ち上がっている。
 企業側の労働時間延長の要求が顕在化したのは、6月下旬に電機機械大手のシーメンス社(従業員42万人、うちドイツ国内17万人)とドイツ金属産業労組(IGメタル)が合意した労働協約がきっかけ。協約の内容は、ハンガリー工場新設を中止、ノルトライン・ウェストファーレン州のボショルト、カンプリントフォルトの両携帯電話工場の閉鎖を回避し、2000人の雇用を保障する引き換えに、両工場で週40時間に相当する年間1760時間労働を受け入れるもの。賃金は据え置きのままとなる。

赤旗04.07.19.
仏35時間労働を攻撃
ボッシュ社 賃上げなし延長へ

 フランスで確立している法定週35時間労働制に対する攻撃が強まっている。ドイツ資本のボッシュ社ベニシュー工場では、チェコヘの移転計画放棄と引き換えに賃上げなしで労働時間を1時間延長することが確定的となり、労働者の反撃が開始されている。
 「労働協約の変更を受け入れなければクビになるしかありません。ほかにしょうがないと誰もが考えているのです。脅しそのものです」。工場の一角にある組合事務所で、従業員代表委員を務める労働総同盟(CGT)のルネ・フラレソ氏が語る。
 810人の労働者が働く同工場では自動車部品の噴射ポンプを製造している。経営者はコストがチェコと比べて4倍以上で企業競争に勝ち抜くためにもコスト削減が絶対に必要だと主張。工場の移転か、労働条件、賃金の切り下げかの選択を労働者に迫った。
 具体的には、@35時間の賃金で36時間の労働A賃金とボーナスを3年間凍結B休日を1日削減など。コストは全体として12.1%の削減になるという。
 同工場では全労働者に労働協約改定の賛否を問う郵送投票が行われており、経営者側は90%の支持を得て改定できるとしている。労働者の受け入れば確実だとみられている。CGTは、雇用を守るための「受動的抵抗」として回答しないことを呼びかけた。

赤旗07.07.25.
ダイムラー雇用は維持
労働時間延長などで労資合意

 自動車大手ダイムラークライスラーは23日声明を発表し、経営協議会(従業員代表で構成)および労組との交渉)で、メルセデスベンツの新型車生産などに伴う関連コストを年間5億ユーロ相当削減することで合意に達したことを明らかにした。競争力や技術開発力の同上を狙ったもので、2007年から実施。コスト削減計画には、@従業員報酬制度の包括的見直しAパートタイム労働者採用などを通じた人員投入の柔軟化および効率化B開発・企画部門で週40時間への労働時間の延長、などの措置が盛り込まれた。

赤旗04.7.27.
独自動車大手ダイムラー社の労使交渉
大量解雇止めさせた 労働時間では妥協

 ドイツの自動車大手ダイムラークライスラー社の経費削減計画に関する労使交渉で23日に妥結した合意は、一部の職場では労働時間延長を許容しながらもドイツ金属産業の週35時間労働制を守り、解雇計画などを断念させる内容となった。
 会社側が要求していたのはメルセデス生産部門の経費削減策として「賃金調整なし週40時間への労働時間延長」やバーデンビュルテンベルク州の工場で30年来実施されている勤務時間1時間ごとに5分間の休憩時間の廃止など。経営者側は経費削減ができない場合、同州ジンデルフィンゲン工場の3万人の労働者中6000人を解雇すると脅迫してきた。
 これに対し、労働者代表組織のダイムラークライスラー総事業所評議会やIGメタルが反対に立ち上がった。合意内容は、@2012年まで8年間の職場保障A2006年の2.8%の賃上げの中止B技術者・研究部門の労働者2万人の週30時間から週40時間の柔軟な労働時間制導入C非生産部門労働者の週39時間労働D1時間ごとの5分間休憩時間を年2日間の休暇に代えるE経営陣の給与10%カットと職制3000人の給与一部削減F派遣労働者の数を2500人までに限定するなど。一律の週40時間労働などの経営者側の要求が否定されたのが特徴。

赤旗04.7.27.
仏首相 弱肉強食の労使関係批判
「移転か時間延長か」に懸念

 フランスのラファラン首相は25日付仏紙ジュルナル・デュ・ディマンシュのインタビューで、週35時間労働制が一部企業によって破られつつある現状に触れ、弱肉強食%Iな労使関係に批判を加えた。その一方、35時間制の弾力的運用を広げる「改革」推進の意向も表明した。週35時間労働法については、「もっと働きたい人に、もっと稼ぐことを可能にする」改革が必要だと強調。一昨年暮れに残業の法定許容時間を年130時間から180時間に拡大したのに続き、いっそうの「弾力化」を推し進める意向を明らかにした。


メールマガジンダイジェスト

メールマガジン労働情報/No.68(04.7.2.)

「家族による労働者の疲労蓄積度チェックリスト」を公開/厚労省

 厚生労働省は6月30日、「労働者の疲労蓄積度自己判断チェックリスト」を改定した。このチェックリストは、労働者が自分の疲労度を把握するためにつくられたもの。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/06/h0630-1.html

労働者の疲労蓄積度チェックリスト/中央労働災害防止協会サイト
http://www.jisha.or.jp/frame/index_profile_check.html

ワークシェアリング導入促進の「秘訣集」を作成/厚労省

 厚生労働省は6月30日、ワークシェアリングの導入促進に関する「秘訣集」を公表した。ワークシェアリングに取り組んだ企業の実例や導入にあたっての留意点、活用できる助成制度などを紹介。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/06/h0630-2.html

1日から週休2日制、労使の争い続く/韓国
http://www.jil.go.jp/foreign/nna/backnumber/0701korea1.htm

メールマガジン労働情報/No.69(04.7.7.)

全経連、非正社員の「定義」示す/韓国
http://www.jil.go.jp/foreign/nna/backnumber/0705korea3.htm


メールマガジン労働情報/No.71(04.7.14.)
公務部門の「多様な勤務形態」を提起/人事院の研究会

 人事院の「多様な勤務形態に関する研究会」はこのほど、公務部門の勤務時間制度の弾力化・多様化に関する基本的な考え方を示した中間取りまとめを公表した。
http://www.jinji.go.jp/kisya/0407/tayou.htm

35時間労働制に見直し論/フランス
http://www.jil.go.jp/foreign/nna/backnumber/0712france.htm


メールマガジン労働情報/No.72(04.7.16.)
関西医大に二審も賠償命令/研修医の過労死訴訟

 共同通信によると、関西医大病院(大阪府守口市)の研修医=当時(26)が死亡したのは過酷な勤務が原因として、大阪府堺市の両親が同医大に約1億7,200万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は15日、約1億3,500万円の支払いを命じた一審大阪地裁判決を変更、賠償額を約8,400万円とした。
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hanrei/20040716a.html


メールマガジン労働情報/No.73(04.7.23.)
過半数の企業が成果主義を導入/労働者の約3割、「納得感が低下」

 労働政策研究・研修機構(JILPT)が20日発表した「労働者の働く意欲と雇用管理のあり方に関する調査」の結果によると、過半数の企業で成果主義が導入されている。成果主義の導入により「職場の業績や成果をあげようという雰囲気」が強まったと答えたのは労働者の約4割、企業の約7割で、企業が考えるほど実際の職場の雰囲気は業績・成果志向になっていない。
http://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/doko/h1607/index.html

非正社員の割合が34.6%に/厚労省の就業形態多様化調査

 厚生労働省が21日発表した「2003年就業形態の多様化に関する総合実態調査」の結果によると、労働者の割合は正社員65.4%、非正社員34.6%(パートタイム労働者23.0%、契約社員2.3%、派遣労働者2.0%、出向社員1.5%など)となっている。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keitai/03/index.html


メールマガジン労働情報/No.75(04.7.30.)
教員の超勤手当請求を棄却/札幌地裁

 共同通信によると、恒常的に超過勤務を強いられながら手当を支給しないのは不当として、北海道教職員組合に所属する公立小中高校などの教員約1,400人が道と公立校設置者の市町村に対し、超過勤務手当など計約2億7,000万円の支払いを求めた訴訟の判決で札幌地裁の生野考司裁判長は29日、教員側の請求を棄却した。
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hanrei/20040730b.html


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労働組合・職員団体の情報

全労連
厚生労働省労働者の疲労蓄積度チェックリストの公開について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/06/h0630-1.html

全労働省労働組合


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厚生労働省



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