第26号
2004年6月

新聞スクラップ


日経04.06.09.
是正指導最多1万8500件
厚労省 夜間の検査強化

 残業したのに割増賃金を支払わない、いわゆるサービス残業で、2003年に全国の労働基準監督署が事業所に是正指導した件数が約1万8500件と、過去30年で最多だったことが9日、厚生労働省の調査で分かった。労働環境の悪化や「過労死」にもつながりかねないとして、同省は夜間の立ち入り検査を積極的に実施するなど指導を徹底する。
 指導件数は同省が監督を強化し、監督件数を増やした1998年(7038件)から増加傾向にあり、03年は前年比8.4%(1434件)増。1971年以降で最多を更新した。
 また、03年に労基署が同法違反で書類送検した件数は前年比35件増の84件に急増。「武富士」の例など、従業員が告訴・告発して違反が明らかになったケースも多い。

赤旗04.06.12.
サービス残業是正指導増える 昨年最多1万8500件
共産党国会で追及240回

 全国の労働基準監督署で2003年1月から十2月までの1年間に、サービス残業の是正指導件数が1万8千5百件を超え、過去3十年間で最多になったことがわかった。労働基準法違反があったとして是正指導したのは、1万8511件。前年より約1500件増。この間、支払われた未払い残業代は、厚労省がサービス残業根絶のための通達をだした2001年4月から、03年12月までの2年9カ月で約2百60億円にのぼる。なかには、全労働者の3分の2にあたる約1万2千人に約65億円を支払った中部電力などが含まれる。
 日本共産党は1976年、国会で初めてサービス残業問題をとりあげて以来、240回を超える質問で政府を追及。サービス残業根絶をくり返し求めてきた。

赤旗04.06.09.
残業隠し悪質北 労基署指導も改善されず
社長がタイムカード押す

 日本労働弁護団の弁護士が電話で労働相談に応じる「全国一斉残業・賃金・リストラ110番」の相談結果が8日、まとまった。5日を中心に実施され、相談件数は707件。東京の本部では5日、15人の弁護士が7本の電話で応対し、過去最高の209件の相談があった。
 「残業についての相談が多いというのが印象」と、弁護士たちは口をそろえる。
 相談内容は、残業代不払いが1位で180件。次いで、賃金不払い(126件)、解雇(90件)、過重労働など労働時間(88件)の順。
 「十年前から土日出勤は当たり前。平日は深夜12時、1時まで仕事。睡眠不足でデート中に居眠りをしてしまい、縁談がうまくいかなかったこともあった。医者にもいけない」(技術者の男性・40歳)、「残業は月に300時間。休日は半年に1回。血便がでる。胃かいよう、十二指腸かいようあり」(銀行員の男性・34歳)など。長時間こき使われても残業代が払われないケースも次々。今回、特徴的なのは、違法な残業代隠しが悪質になっていることだという。

赤旗04.06.11.
労働時間規制を除外 6割の企業が要求
東京商工会議所調査

 東京商工会議所が会員企業を対象におこなった「労働政策に関するアンケート調査結果」で、約6割の企業が裁量労働(みなし労働時間)制対象者を「労働時間規制の適用除外とすべき」だと回答していることがわかった。調査結果は、「早急に管理監督者と同様『適用除外』とすべき」20.1%、「将来的には管理監督者と同様『適用除外』とすべき」37.2%で、あわせて57.3%が適用除外を求めている。自由記載欄では、大企業(1001人以上)の製造業が、ホワイトカラー・イグゼンプション(事務技術系労働者の労働時間法制適用除外)の早期導入を求める声が目立った。回答数は733社、調査時期は今年4月末―5月中旬。

赤旗04.06.20.
過労死110番 家族からも相談
朝6時出勤、深夜に帰宅…

 「休みがなく、脳出血で倒れた」―。19日、31都道府県で実施した「過労死・過労自殺110番」(主催・「過労死110番」全国ネット)には、休日もなく、深夜に及ぶ長時間労働で過労死や過労死寸前まで追い込まれた深刻な相談が相次いだ。
 相談件数は199件(1県が未集計)。うち労災補償相談(死亡・療養)が92件を占め、このうち脳・心臓疾患が44件、自殺25件、自殺以外の精神疾患18件。予防・働きすぎに関する相談が約半数の89件にのぼった。
 相談事例では、「宮崎―大阪間を休みなしで3往復し、荷物を積んでいる途中で心筋梗塞(こうそく)で死亡した」50代のトラック運転手、「朝8時に出勤し終電で帰宅。納期前は帰宅できないこともあった。うつ病で通院中」という男性システムエンジニアのケースなど。

日経04.06.22.
積水化学系 サービス残業で捜索
和歌山労基署 660万円不支給の疑い

 積水化学工業の100%出資子会社で住宅販売・施工会社の和歌山セキスイハイム(和歌山市)が時間外賃金を支払わない「サービス残業」を従業員にさせていた疑いがあるとして、和歌山労働基準監督署は21日までに、本社など計3カ所を労働基準法違反(割増賃金未払い)容疑で家宅捜索した。容疑が裏付けられれば立件する方針。
 営業担当の元社員2人が今年4月に同社を労基署に刑事告訴していた。

赤旗04.06.24.
労働時間規制外す
厚労省検討会議報告 制度の導入打ち出す

 学者などで構成する厚生労働省の「仕事と生活の調和に関する検討会議」(座長・諏訪康雄法政大学教授)は23日、労働時間の規制を外す制度の導入を盛り込んだ最終報告書を確認した。今後審議会を経て、来年の通常国会に法案が提出される見通し。
 報告書は、労働時間や就業場所、契約期間、仕事内容や仕事の拘束度などについて、労働者がみずから選択できるよう「働き方の多様化を図る」ことが求められているとし、その1つに打ち出したのが「労働時間規制にとらわれない働き方」の導入。「職務内容に照らし労働時間規制が必ずしもなじまない仕事に就く者」には、本人が希望することを前提に労働時間規制の保護から外すとしている。
 一方、労働時間の短縮は、企業の時間あたり固定費を上昇させるから、「賃金額の減少をもたらす」ことがあるとし、賃金水準(時間あたり賃金)が低下しうることを認識するよう求めま。残業による割増賃金を支払う代わりに「代償休日」を与えるしくみの検討にも言及している。


メールマガジンダイジェスト

メールマガジン労働情報/No.59(04.6.2.)

「労働におけるCSR」で積極的な労働政策を/全労連が要請

 全労連は5月31日、厚生労働省に対して、企業の社会的責任(CSR)についての要請書を提出した。上場企業に「労働におけるCSR報告書」の作成、公表を義務づけるなど、今後の労働政策で労働分野のCSRの取り組みを強力に推進するよう要求。また、「労働におけるCSR」として、「ILO中核的労働基準の尊重」などの基本的項目、労使関係や雇用などに関する具体的項目を示した。
http://www.zenroren.gr.jp/jp/topics/2004/0601-01.html

7月に「北海道サマータイム」の導入実験/札幌商工会議所が提唱

 札幌商工会議所は7月に札幌市内や北海道内の企業・官公庁などに呼びかけ、夏時間導入の社会実験を行う。参加企業は「サマータイム班」と「標準時班」によるシフト制の勤務体制をとり、夏時間対象者は定時(終業が通常18:00なら期間中は17:00)に退社させる。
http://www.sapporo-cci.or.jp/summer/


メールマガジン労働情報/No.65(04.6.4.)
裁量労働制、労働時間規制の適用除外を/東商調査

 東京商工会議所が2日発表した「労働政策に関するアンケート調査結果」によると、現在、「みなし労働時間制」をとっている裁量労働制について、約6割の企業が管理監督者と同様に労働時間規制の適用除外を求めている(「早急に」20.1%、「将来的に」37.2%)。
http://www.tokyo-cci.or.jp/kaito/chosa/160602-3.pdf


メールマガジン労働情報/No.66(04.6.9.)
「雇用多様化時代の労使関係−多様な労働者と労働組合の役割」(ディスカッションペーパーbW)

 近年の雇用形態の多様化が労働条件決定システムにおいて、特に日本の労使関係にどのような影響を与え、どのような課題が生じているのかを、先行研究のサーベイを通して明らかにしようとするもの。
http://www.jil.go.jp/institute/discussion/2004/04-008.html

「社会法における『労働者』の概念−法律・裁判例・学説と、法政策構想への試論」(ディスカッションペーパーbV)

 憲法、社会法、および裁判例における「労働者」などの文言の法的意味・解釈を検証し、また、学説を概観した。その結果、現行法令において、「労働者」とは、賃金等対価を得て就労するものであること、「労働者」であるためには、「使用従属関係」が必要不可欠であることが確認された。
http://www.jil.go.jp/institute/discussion/2004/04-007.html


メールマガジン労働情報/No.63(04.6.16.)
「職場のパートタイマー−基幹化モデルを手がかりにした文献サーベイ」(労働政策レポートbP)

 雇用形態の多様化が進展する中、職場ではパートタイマーを従来の補助労働者ではなく、基幹労働者に位置付けることも多くなってきてる。本レポートは職場におけるパートタイマーの基幹化に注目した文献サーベイを行い、基幹化が企業や労働組合にもたらす波及効果とその反応を分析したもの。
http://www.jil.go.jp/institute/rodo/2004/001.html

『欧米における在宅ワークの実態と日本への示唆−アメリカ、イギリス、ドイツの実態から』(労働政策研究報告書No.5)

 本報告書は、日本における在宅ワークの保護・支援施策の参考とするため、米、英、独の在宅ワークの実態と法制度などを調べたものです。第1部は現地ヒアリングなどに基づき「在宅ワークの実態と日本への示唆」を、第2部は「在宅ワーカーをめぐる法制度」をとりまとめている。
http://www.jil.go.jp/institute/reports/2004/005.html

民主党の「パート労働者の均等待遇確保法案」を支持/連合

 民主党が11日に「パート労働者の均等待遇確保法案」を議員立法で国会に提出したのを受け、連合は同日、この法案を「事業主の短時間労働を理由とする差別的取り扱いを禁止し、労働者の権利確保を明確にしたもの」と評価し、積極的に支持するとの事務局長談話を出した。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/new/iken/danwa/2004/20040611.html

定期残業の割合37%に増加、ABS調査/オーストラリア
http://www.jil.go.jp/foreign/nna/backnumber/0611australia2.htm


メールマガジン労働情報/No.65(04.6.23.)
サマータイムに挑戦する北海道  北海道が7月1日(木)から31日(土)までの1ヶ月間、サマータイムに挑戦する。札幌商工会議所の提唱に応じた約150の企業や自治体、団体で、この期間、時計の針を標準時間よりも1時間ないし2時間早める。 http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/ym/20040623.html

短時間勤務の正社員を4割が希望/厚労省調査

 厚生労働省が18日発表した「多様就業型ワークシェアリング」に関する調査結果によると、約4割の人が短時間正社員制度や在宅勤務制度の導入を希望している。一方、これらの制度を導入あるいは検討している企業の割合は短時間正社員制度(正社員の所定労働時間を一時的に短くする方式)で28%、在宅勤務制度では3%にとどまっている。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/06/h0618-3.html

サービス業などで250万人の雇用創出/諮問会議で竹中経財相が報告

 竹中経済財政・金融相は21日の経済財政諮問会議で、過去3年数カ月間にサービス業を中心とした「530万人雇用創出プログラム」の関連分野で、250万人の新規雇用が創出されたとの内閣府の試算を紹介した。
http://www.keizai-shimon.go.jp/2004/0621/0621item4.pdf


メールマガジン労働情報/No.67(04.6.30.)

所定外労働の抑制策など提起/厚労省「仕事と生活の調和に関する検討会議」

 厚生労働省の「仕事と生活の調和に関する検討会議」は23日、所定外労働抑制のため、所定労働時間を超えて労働させる場合、法定労働時間内でも割増賃金の支払いを義務化することなどを内容とする報告書をまとめた。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/06/s0623-7.html

「夜勤手当」支給、中小企業の3割/韓国
http://www.jil.go.jp/foreign/nna/backnumber/0629korea2.htm

広がる週40時間勤務制度/ドイツ
http://www.jil.go.jp/foreign/nna/backnumber/0628german.htm


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労働組合・職員団体の情報

全労連
企業の社会的責任について見解を発表

 全労連は5月31日、企業の社会的責任(CSR)に対する関心が高まり、厚生労働省 も「労働におけるCSRのあり方に関する研究会」を発足させ、その研究会が「6月中を 目途に取りまとめを行う」としていることから、これに対する必要最小限の全労連として の見解を明らかにするとともに同省に対して要請書を提出した。
 要請書の主な内容は、企業の社会的責任推進にあたっての国の役割について明らかに し、その積極的推進を求めている。
 また労働における基本的項目を明示し、具体的項目をあげてその推進を求めている。
http://219.166.38.179/fdl/index.aspx

企業の社会的責任について見解を発表を追加
http://www.zenroren.gr.jp/jp/topics/2004/0601-01.html


全労働省労働組合

日本自治体労働組合総連合

行政情報
厚生労働省



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