第24号
2004年4月

新聞スクラップ


日経04.4.5.
週3日勤務や1日4時間労働… 短時間正社員に脚光
家事一育児にゆとり 収入減でも達成感求める
 仕事と家庭のバランスに配慮し、大胆な短時間正社員制度を取り入れる企業が登場してきた。これまでも出退社時間をずらす短時間勤務制度はあったが、この制度は柔軟性をさらに高め、勤務時間を半減したり休日を増やしたりできるのが特徴。育児など家庭の都合に合わせて就労形態を設計できる新たな働き方として、注目を集めている。
 「勤務は午前十時から午後3時まで。通勤ラッシュに煩わされることもないし、朝夕も余裕を持って子どもと接することができる」。東京海上日動あんしん生命保険(東京・千代田)に勤める植松文さん(28)はこう話す。昨年2月に出産。育児休業を経て今年3月に同社独自の「ライフバランス社員」として職場に復帰した。
 ライフバランス社員とは仕事量と労働時間を通常の半分にする代わり、給料も半分にする短時間勤務制度だ。仕事と家庭の両立支援策として2002年4月に新設された。初の取得者が植松さんだ。
 植松さんは実家の近くで暮らしており、勤務時間中の育児は両親に頼っている。両親の助けがあるとはいえ、仕事との両立は難しく、フルタイム勤務はきつい。「半分くらいの勤務がちょうど良い。終業が午後3時ならまだ明るいうちに子どもを迎えに行ける。仕事も続けたかったし、子どもとの時間も大切にしたがった」と説明する。
 同制度を立案した同社人事総務部の二村紀久江さんは「せっかく育ててきた人材が家庭の事情で退職しては企業の損失。一時期、フルタイムで働けないにしても会社に残ってもらう方が会社にとってもありがたい」と説明する。ライフバランス社員という理由で人事考課上、不利になることもない。「仕事量が半分なのでフルタイム勤務者と同等な評価はできないが、人事考課は与えられた仕事の達成度を見るもの。そこできっちり成果をあげれば昇給や昇格も相応に処遇する」

赤旗04.4.7.
裁量労働制+成果主義=超過密労働
日本IBMが導入 社長公言 人事制度の毒味役になる

 社長が日本の「人事制度の毒味役になる」と公言する日本IBM。裁量労働制と成果主義賃金を組み合わせ、際限のない長時間・過密労働に労働者を駆り立てる新たな毒味≠はじめた。
 日本IBMのシステムエンジニア(SE)のYさん(38)は、顧客企業の全国的なシステムを更新するプロジェクト(開発事業)の一員だった。関連会社や下請け会社担当者から送られてくるプログラムの提出の締め切りを決め、プログラムが正しく動くかどうかを試験する各部署に転送するのが仕事。「本来の労働時間は1日7時間36分ですが、とても終わりません。終電間際の緊急のメールや待っているプログラムが来ないときは、イライラします」とYさん。午前10時には出勤し、平日は午後10時、11時までの3、4時間の残業はざら。土曜か日曜のどちらかは出勤だった。
 「プロジェクトの一員ですから、自分の裁量で仕事なんてできない」とYさんはいう。
 同社の大歳卓麻社長は「ほとんどの職種を裁量労働にしてほしいくらい。仕事量は能力にもよるし、やる気に上る。同じ8時間でも人によっては仕事量が十倍違ったりする」と主張していました。(『日経ビジネス』2001年4月23日号)

日経04.04.12.
米の「仕事と生活の両立」事情 企業、生産性向上へ対策
アパショナータパク代表に聞く 柔軟な勤務カギ

 ワーク・ライフ・バランスという言葉を耳にするようになった。直訳すると仕事と私生活の両立。米国ではその"網"を掛ける対象も共働き家庭だけにとどまらず、全従業員に及んでいる。コンサルタント会社のアパショナータ代表で、米国のワーク・ライフ専門家連盟の会員でもあるパク・J・スックチャさんに、今後両者のバランスをどのように図っていけばいいのかを聞いた。
 ――ポイントは何か。
 「柔軟な勤務形態を導入すること。代表的な例はフレックスタイムや在宅勤務、週に4日勤務する圧縮型労働など。米国は欧州と違って長時間労働国。その点は日本と似ているが、日本は勤務形態に柔軟性がない。前日夜中まで仕事をしたら翌日は遅く出勤できるような体制にしないと、過労で倒れる社員が出るばかりだし、国の政策にもなっている仕事と家庭の両立も掛け声倒れになる」
 ――日本では企業の社会的責任として、社員が仕事と家庭の両立ができるよう配慮することを求められている。
 「米国ではそんな言い方はまずしない。ワーク・ライフ・バランスを推進するのは、自社のため。社員が早く帰って勉強したり家族との関係を密にしたりすることで満足度や仕事の生産性が上がれば、結果的に会社にメリットをもたらす。表現を変えれば、知的生産性が出しやすい働き方が柔軟な勤務体制なのだ。日本はその切り替えができていない。ひたすら長く働くという、モノ作り全盛時代の働き方を今も引きずっている」
 「社員も業績が維持できなければ、柔軟な働き方というツールを会社から取り上げられてしまう。特に在宅勤務のような上司の目が届かない場所での仕事は信頼できる人でないと許可されない。フレックスタイムも、仕事に支障が出るようだと利用できなくなる」

赤旗04.4.24.
サービス残業・長時間労働 是正指導を批判
愛知経営者協会 行政に要請書

 トヨタ自動車や中部電力などでつくる愛知県経営者協会が、違法なサービス(不払い)残業や長時間労働の是正指導を強化している労働行政を批判し、不払い・長時間労働を事実上野放しにするよう愛知労働局(厚生労働省の出先機関)に要請書を提出していたことがわかった。
 要望書は3月26日付で、「最近の労働行政は時間管理に重きを置くばかりで、労働時間制度の多様化、弾力化の流れに逆行している」と批判している。
 要望の内容は第一に、タイムカード等による労働時間の把握方法は、ホワイトカラーには適さないから労使に委ねるべきだとし、第二に、労働時間の法的規制が除外されている「管理・監督者」(深夜労働は残業代支払い対象)の範囲を拡大するべきだと主張する。  第3に、労使による時間外労働協定(36協定)の特別条項の適用期間を「1年の半分以下」と行政が制限したことは「経営上影響が大きい」と批判。法の画一的な規制はせず労使に委ねるべきだとする。
 第4に、事務・技術系労働者を労働時間の法的規制から除外する制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)を早期導入すべきだと強調しています。

赤旗04.4.24.
3割以上が指導受けた 行政に意見が「ある」は8割超
愛知経営者協会が調査

 愛知経営者協会が会員企業におこなった、労働時間管理にかんする調査結果(回答221社)によると、2001年度4月以降に労働基準監督署から不払い残業などで、指導・是正勧告をうけた企業は35・7%に及んでいる。

日経04.04.28.
阪急百貨店 340人にサービス残業
労基署が是正勧告 未払いの3100万円支給

 阪急百貨店が、天満労働基準監督署から時間外賃金を支払わない「サービス残業」をさせていたとして労働基準法に基づく是正勧告を受け、約340人の社員に総額約3100万円の未払い賃金分を支給していたことが28日、分かった。同社は「再発防止に努めたい」としている。
 関係者によると、勧告の対象となったのは梅田本店(大阪市北区)で、2002年10〜12月の3カ月間、主に婦人服売り場の店頭販売員にサービス残業をさせていた。出社したのに、機械で読み取る方式の勤務カードに入力しないでデータ上の出社時刻を遅らせたり、逆に、残業しているにもかかわらず、カードを機械に通して退社時刻を入力させていた。

メールマガジンダイジェスト

メールマガジン労働情報/No.45(04.4.7.)
ディスカッションペーパー『日本の長時間労働・不払い労働時間に関する考察』

 日本の長時間労働及び「不払い労働時間」に関するこれまでの調査研究の蓄積を総括し、今後の研究課題を提示。
http://www.jil.go.jp/institute/discussion/2004/04-001.html

2004年度地方労働行政運営方針を策定/厚労省

 厚生労働省はこのほど、2004年度地方労働行政運営方針を策定した。職業安定行政の重点対策として、公共職業安定所の求職者の就職率を30%程度に、雇用保険受給資格者のうち早期に就職した者の比率を12%程度に引き上げることなどをあげている。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/03/tp0329-1.html

日立製作所が裁量労働制を導入/主任相当の1万2,000人を対象

 日立製作所は1日、総合職のうち主任相当レベルの約1万2,000人を対象に、裁量労働制を導入した。制度の適用にあたっては、本人の意思を確認する。
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2004/03/0331b.html

メールマガジン労働情報/No.46(04.4.9.)

今年のGW、連続休暇の平均日数が増加/厚労省調べ

 厚生労働省は8日、ゴールデンウィーク期間中の連続休暇の実施予定状況調査結果を発表した。企業の連続休暇の平均日数は5.6日で、前年の4.8日を0.8日上回った。最も長い連続休暇は11日間で、19社が実施を予定。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/04/h0408-1.html

EU委員会、「労働時間指令」の見直しを提起

 EU委員会はこのほど、1993年に採択され、週労働時間(時間外労働含む)の上限を48時間に定めた「労働時間の設定に関する指令」に関して、見直しを検討するための協議文書を発表した。
http://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2004_4/eu_01.htm


メールマガジン労働情報/No.47(04.4.14.)

遺族に3,000万円支払い和解 女性運転手の過労死で

 共同通信によると、女性タクシー運転手=当時(52)が過労で死亡したのは「会社の安全配慮義務違反が原因」として、遺族が勤務先の京浜交通(川崎市)に約5,000万円の損害賠償を求めた訴訟は9日、会社側が約3,000万円を支払うことで横浜地裁川崎支部で和解した。
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hanrei/20040414a.html

嘱託医過労死で両親提訴 沖縄県に2億円請求

 共同通信によると、沖縄県立中部病院で嘱託医として勤務していた男性=当時(30)が死亡したのは、過重な業務を軽減させるなど適切な措置をとる義務を怠ったのが原因として、男性の両親が13日までに、県に約2億円の損害賠償を求める訴えを那覇地裁に起こした。
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hanrei/20040414b.html


メールマガジン労働情報/No.48(04.4.16.)

「今後の労働契約法制のあり方に関する研究会」を設置/厚労省

 厚生労働省は14日、今後の労働契約法制のあり方について法律的な論点を中心に検討を行うため、学識経験者で構成する研究会を設置すると発表した。2005年秋を目途に報告書をとりまとめる予定となっている。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/04/h0414-1.html

「ライフスタイルの選択と雇用制度・慣行」で意見を募集/男女共同参画局
 内閣府の男女共同参画局では「ライフスタイルの選択と雇用・就業に関する制度・慣行の論点整理」に対する意見を募集している。雇用・就業に関する政府の施策・制度、賃金制度を始めとする社会の制度・慣行が、男女のライフスタイルの選択などに与える影響について調査検討を行った。
http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/eikyou/ikenboshu.html

メールマガジン労働情報/No.49(04.4.21.)
サマータイムで地域活動が活性化/生産性本部調査

 社会経済生産性本部は19日、サマータイムのさまざまな効果について試算した調査結果を発表した。その経済効果は8,800億円に相当すると試算している。
https://www2.jpc-sed.or.jp/files00.nsf/276697182031a3fd4925672c001a56da/2a3c4188859d7a2f49256e7c001978d0?OpenDocument

日本テレワーク協会・研究成果発表会

 日本テレワーク協会は5月27日、東京・麹町会館で研究成果発表会を行う。主な発表内容は「在宅ワーカーの健康管理に関するアンケート調査報告」、「マイクロビジネスと地域活性化の研究」、「ブロードバンド時代の新しいテレワークモデル」など。
http://www.japan-telework.or.jp/news/news_040420.html


ILO駐日事務所メールマガジン

日本経団連ホームページ新着情報案内サービス


労働組合・職員団体の情報

全労連
全労働省労働組合

日本自治体労働組合総連合

行政情報
国際労働機関

厚生労働省



 労働時間短縮研究所では、時間短縮についてのあなたのとりくみの記事を募集しています。
 応募・送付方法は、メールでもフロッピーに入れたものを郵送していただいても結構です。

送付先

 大阪市中央区道修町3丁目3-10 大阪屋道修町ビル3階
 全日本損害保険労働組合大阪地方協議会気付け
 電話 06(6231)7466

メール送付先admin@jitan-after5.jp

トップページにもどる | ニュースクリップにもどる