第20号
2004年2月

新聞スクラップ


日経04.2.2.
労働時間増え 給与総額減る 「所定外」増えたが…
昨年勤労統計 パート切り替え映す

 厚生労働省が2日発表した2003年の毎月勤労統計調査(速報)によると、従業員5人以上の企業の月間平均の現金給与総額は34万1820円と前年比0.4%減り、3年連続の減少となった。景気の持ち直しで平均労働時間や残業に伴う所定外給与は3年ぶりに増加に転じたが、パート社員への切り替えが続き、基本給に当たる所定内給与の減少が響いた。
 税金や社会保険料などを差し引く前の給与や各種手当、賞与などの合計である現金給与のうち、基本給に当たる所定内給与は0.3%減。パート社員が2.1%増と増勢が続くなど、基本給の圧縮を急ぐ企業の姿勢を反映した。所定外給与は4.0%増と3年ぶりに増えたが、給与総額では減少が続いた。
 正社員など一般労働者は1.3%減と六年連続で減少。全体の常用雇用者数は0.5%減と5年連続の減少となった。
 一人当たり総実労働時間の月間平均は0.1%増の152.3時間と3年ぶりに増えた。所定外労働時間(残業)の平均は全体で4.7%増の10.0時間と2年連続で増加した。特に製造業の所定外労働時間は10.2%伸び、景気の持ち直し傾向が労働時間にも表れた。

日経04.2.4.
「みなし労働時間」適用可能 在宅勤務で明確化
厚労省指針

 厚生労働省は、通信機器を使って自宅で仕事をする在宅勤務について、企業の労働時間管理に関する指針をまとめた。労使で決めた時間だけ働いたとみなす労働基準法の規定を適用し労働時間を1日10時間と決めれば、10時間働いたとして賃金を計算する。煩雑な労務管理を簡素化できるため、同省は企業が在宅勤務制度を導入しやすくなるとみている。
 2月中にも都道府県の労働局に通達を出す。労基法で雇用主は従業員の労働時間を管理する義務がある。ただ営業社員など社外で仕事をする従業員は勤務実態を把握しにくい。このため就業規則などで定めた時間だけ働いたとみなすことができる「みなし労働時間」の特別な規定があるが、これまではこの規定を在宅勤務に適用できるかどうかあいまいだった。
 指針では、在宅勤務について「みなし労働時間」を適用できることを明確に示す。在宅勤務の実態に合わせて労使協約で労働時間を1日10時間と決めれば、労働者は実際の勤務時間に関係なく、通常の1日分の賃金と2時間分の残業代を受け取れる。
 従来は個別の従業員の勤務実態を把握する事務負担が大きく、在宅勤務制度の導入に二の足を踏む企業が多かった。ただ育児や介護の負担を理由に従業員が退職するケースを減らすため、電機業界などが在宅勤務制度を導入しつつあり、同省はルールを明確化することにした。

日経04.2.6.
正社員・パート資格統一
イオン、賃金格差も縮小

 イオンは2月下旬から正社員とパート社員の資格制度を一本化する。全従業員の8割に当たる7万9000人のパートを対象に、昇格希望者の試験や審査を正社員と統一する。賃金体系も資格にほぼ連動させ、能力の高いパートの給与を同資格の正社員並みに近づける。パート・正社員間の処遇格差を縮め、働く意欲を高める狙いだ。
 これまでパートは契約社員や専門技術を持つパートなど4つに分け、それぞれ個別の資格制度を設けていた。新制度ではパート全員を、転勤のない「コミュニティ社員」に統一。このうち責任のある職務を希望するパートは、正社員と同じ登用試験や昇格審査で評価し、研修も一本化する。多様な働き方ができる体制を整え、パートのやる気を引き出すとともに正社員を活性化する狙いもある。

日経04.2.6.
イオンが新資格制度/パート、補助的役割超える
解説

 大手スーパーではすでに全従業員の4人に3人をパートが占める。総人件費を抑え、生産性を高めるにはパート社員の処遇を改善し、やる気を引き出すことが不可欠だ。2003年10月適用の改正パートタイム労働指針でも、職務が同じ場合には同一の処遇などで正社員との均衡を図るよう努めることが盛り込まれており、イオンの取り組みは指針にも合致する。
 イオンの新制度は能力のあるパートを戦力化するとともに正社員の意識改革を迫り、社内を活性化する狙いもある。従業員に占めるパート比率はすでに8割に達しており、パートはもはや補助的な役割を超えた存在だ。

しんぶん赤旗04.2.11.
教員公務災害訴訟「激務で過労死」確定
基金大阪府支部が上告断念

 14年前、激務により急死した堺市の小学校教諭鈴木均さん(当時36歳)の遺族が、過労死(=公務上災害)と認めなかった地方公務員災害補償基金大阪府支部(支部長=太田房江府知事)の処分取り消しを求めた訴訟で、鈴木さんの死亡は公務が原因と判断した先月30日の大阪高裁判決が十日確定した。


メールマガジンダイジェスト

メールマガジン労働情報/No.30(04.2.4.)
愛知銀がサービス残業/1億4,500万円支払う

 共同通信によると、第二地方銀行の愛知銀行(名古屋市中区)が、時間外賃金を支払わないサービス残業をさせていたとして、名古屋北労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが1月30日分かった。同行は既に管理職を除く行員の約9割に当たる1,284人に、昨年7〜9月分の未払い賃金約1億4,500万円を支払った。
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/kigyo/20040204a.html

メールマガジン労働情報/No.31(04.2.6.)
違法な残業運転で書類送検

 共同通信によると、宇都宮市の国道4号で昨年9月、大型トラックに愛媛県新居浜市の運転手=当時(51)=の大型トラックが追突、この運転手が死亡した事故で、新居浜労働基準監督署は4日、運転手に違法な残業をさせていたとして労働基準法違反の疑いで、同市磯浦町の「橋和運輸」と社長(64)を書類送検した。
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/kigyo/20040206.html

日本経団連ホームページ新着情報案内サービス 2004年2月5日

『経営タイムス』 (2月5日発行 No.2708)
o 日本経団連、連合首脳が懇談−春季労使交渉の諸課題で論議
http://www.keidanren.or.jp/japanese/journal/times/index.html

日本経団連・奥田会長、春季労使交渉で共同インタビュー
−「春討」の方向性示唆/「政府への要望、社会制度のあり方を労使で検討」−ホワイトカラーの成果主義評価/「国際競争力」でも見解
http://www.keidanren.or.jp/japanese/journal/times/2004/0212/01.html

労働組合の情報

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