第12号
2003年6月

新聞スクラップ


しんぶん赤旗03.6.1.
ホワイトカラー全体を労働時間規制の枠外に

 いくら働いても決めた時間しか働いたと認めない「裁量労働制」を、ホワイトカラー(事務系)労働者のほとんどに広げようとする労働基準法改悪案。日本共産党の山口富男議員の質問(5月30日、衆院厚生労働委員会)で、ホワイトカラー労働者が労働時間規制の枠外に置かれる危険性が浮き彫りになった。

裁量労働制を拡大
労基法改悪で山口議員指摘
「新Vワーク」

 電機大手・NECは昨年秋、「新Vワーク」と名づけた裁量労働制を導入し。「企画業務」での適用労働者は約1000人。
 全国の企画業務型裁量労働者(6744人)の15%を占める大規模なもので「裁量労働を全ホワイトカラーに広げることを視野に入れている」と報じられている。

山口 一九九九年の労働基準局長通達では「ホワイトカラー業務すべてが該当するものではない」と明言している。NECの姿勢は認められない。
松崎朗労働基準局長 ホワイトカラーなら何でも入ることにはならない。

 NECの姿勢を厚労省も肯定するとはいえない。しかし、政府の「規制改革推進三カ年計画(再改定)」では、ホワイトカラーの多くが労働時間規制の適用除外になる米国のホワイトカラーエグザンプション(適用除外)制度を参考に、「裁量性の高い業務については適用除外方式を採用することを検討する」と打ち出している。山口氏は、日本経団連が適用除外の制度を求めていることをあげて「ホワイトカラー全体に裁量労働を広め、日本の労働者を労働時間規制の外に置くことは許されない」と強調した。
 坂口力厚労相は「これまでの法律の範囲で考え、あてはまらないものは取り上げない」と答えた。

しんぶん赤旗03.6.4.
労基法改悪案での参考人陳述

 三日の衆院厚生労働委員会の参考人質疑で、全国労働組合総連合副議長の生熊茂実さん(全日本金属情報機器労働組合中央執行委員長)、静岡大学人文学部法学科教授の川口美貴さんがおこなった労働基準法改悪案についての陳述(要旨)は次のとおり。

不払労働合法化の危険/全国労働組合総連合副議長生熊茂実さん

 労働者保護法としての労基法に「使用者は、労働者を解雇できる」と定めることは、労基法の性格そのものを決定的に変えるものです。労基法第二条で「労働条件の労使対等決定の原則」がうたわれていますが、改正法案は労使対等の関係を崩壊させるものであり、労基法の趣旨に反する。
 契約期間の上限延長で「3年有期雇用」が合法化されようとしている。現行の1年では常用労働を全面的に置きかえるのは困難だが、3年になれば、経営者が労働者を「見極める」うえで十分な期間となり、3年で「役に立たない」と見たら、無条件で「雇い止め」できるようになるす。「若年定年制」あるいは、「試用期間の三年への延長」ともいうべきであり、日本の労働者の多くが不安定雇用となる劇的な変化となる。
 裁量労働の要件緩和は、「不払い労働」「ただ働き」の合法化になる。解雇ルール、有期雇用の三年への上限延長、裁量労働制の要件緩和について抜本修正が行われなければ、「改正」法案は廃案にすべきであると考える。

有期雇用は例外扱いに/静岡大学人文学部法学科教授川口美貴さん

 解雇の規定を法律上明文化することは重要だ。第一に、解雇には正当事由が必要であること。第二に、解雇の正当事由の証明責任は使用者が負担することを、法律規定として明文化すること。解雇に正当事由がないことの証明責任を、解雇に関する資料や情報を有していない労働者に負担させるのは公平ではない。
 期間の定めのある労働契約(有期雇用)は、雇用が不安定で退職の自由が制限され、労働者にとってメリットのない雇用形態である。第一の課題は、期間の定めのない労働契約を原則とし、定めのある労働契約は、派遣労働契約とともに、例外的で限定されるべき雇用形態として位置付けることである。@休業中の労働者の業務の補充A一時的な業務の増大への対応B業務の性質上一時的な労働等、一時的に労働力が必要な場合に限定すること―が必要です。契約期間は上限一年、契約更新は一回限り一年とすべきである。「改正」案は有期雇用の限定がされず期間の延長により有期雇用の拡大につながるおそれがある。  第二の課題は、均等待遇です。有期雇用の労働者の労働条件について、同種の期間の定めのない労働者との差別的取り扱いを禁止すべきであると考える。

しんぶん赤旗03.6.10.
参院本会議
有期雇用が歯止めなく拡大/労基法改悪案で小池議員

 参院本会議で9日、労働基準法改悪案の趣旨説明と質疑がおこなわれ、日本共産党の小池晃議員が質問に立った。
 小池氏は修正された解雇規定について、「野党四党が一致して要求した修正が実現したことは、国会の役割が発揮されたものとして高く評価したい」と表明し、そのうえで、若年不安定雇用労働者が、1995年の248万人から2001年には417万人に激増する一方、企業の38%が「臨時・パートの拡大」を進めようとしていると指摘。「非正規雇用の拡大が企業の戦略である以上、(常用雇用の有期雇用への代替が)歯止めなく拡大するおそれがある」と批判した。

日経03.6.11.
過労死最多の160件
昨年度、労災で認定/うつ病なども4割増

 長時間労働などが原因の脳・心臓疾患で死亡する「過労死」で労災に認定された件数が、2002年度はこれまでで最も多い160件に上ったことが10日、厚生労働省の調査で分かった。死亡には至らなかったものの後遺症が残ったケースも含めると317件。認定基準が緩和された影響が大きいが、長引く不況による労働環境の悪化も背景にあるとみられる。うつ病など精神障害の認定も百件に達し、過去最多を記録した。

しんぶん赤旗03.6.11.
過労死認定最悪の160人に
自殺も43人、中高年多く 02年度政府調査

 過労による脳、心臓疾患などで死亡したと認定された人が今年3月末までの1年間で、計160人に達し、過去最多となったことが10日、厚生労働省がまとめた2002年度労災補償状況でわかった。同省が過労死の認定基準を大幅に緩和したことが大きな要因。働き過ぎによる自殺(未遂を含む)も43人とこれまでで最多を記録した。
 それによると、過労による労災補償の請求数は計819人。うち160人が脳内出血や心筋梗塞(こうそく)などを発症、過労死と認定された。死亡に至らないまでも脳や心臓の病気になった人と合わせると計317人に達し、うち7割近くが40代、50代の中高年。

しんぶん赤旗03.6.11.
サービス残業隠し 共産党が追及
スズキ、7000万円支払う

 日動車メーカーのスズキ(本社・静岡県浜松市)がサービス残業(ただ働き)代を支払っていたことが明らかになった。
 2002年11月から03年1月までの3カ月分で、5月15日に支払われ、総額は約7000万円といわれている。日本共産党スズキ委員会が今年一月に労働基準監督署に是正指導を申し入れていたもので、九日、平賀高成前衆院議員とともに記者会見して発表した。
 スズキは今年一月、勤務記録を手書きからパソコン管理に変更。勤務の開始・終了時刻を労働者が自分で入力することになり、勤務終了とパソコン処理の終了時間を調べればサービス残業をしている事実がはっきりするため、勤務記録から。八ソコン操作の日時を消し去る悪質な隠ぺい工作を行っていた。

しんぶん赤旗03.6.12.
「雇い止め」規制必要
労基法改悪案 参考人が懸念、批判/参院委

 参院厚生労働委員会で11日、労働基準法改悪案にたいする参考人質疑が行われた。有期雇用の期間延長や裁量労働制拡大について、懸念や批判が相次いだ。
 弁護士の坂本修さんは冒頭、「解雇ルールが確立したものとして、労働者のみなさんとともに活用していく決意だ」と表明。衆院での解雇規制の修正を評価した。そのうえで法案の問題点として、有期雇用労働者がすでに広がっていること、賃金が正規労働者の三分の一であること、企垂が有期労働者の拡大をすすめていることを指摘。なすべきことは、有期雇用労働者の「雇い止め」を規制するルールづくりだと主張した。

しんぶん赤旗03.6.13.
ニセ裁量労働制≠ェ横行
参院委で小池議員 東芝、本社部門以外にも

 日本共産党の小池晃議員は12日の参院厚生労働委員会で、労働基準法改悪案について質問しました。横行しているニセ裁量労働制≠フ実態をあげ、労働時間の管理を大幅にゆるめる裁量労働制の拡大をやめるよう求めた。
 裁量労働制は労働時間の管理を労働者にまかせるもので、本社部門にしの東芝京浜事業所(横浜市)では、「始業・終業時刻は従業員の自主管理」とするニセ裁量労働制≠フ「ACE(エース)代は請求するのがむずかしく、事案上サービス残業となっています。

日経03.6.13.
元社員ら武富士を提訴
大阪地裁などに 「残業代未払い、暴力も」

 消費者金融最大手の武富士の支店長経験者24人が「サービス残業をさせられたほか、上司から暴言を浴びせられたり暴力をふるわれた」などとして13日、同社に未払い賃金や慰謝料など総額約四億六干万円の損害賠償を求めて大阪、東京、仙台、福岡の四地裁に一斉提訴した。
 大阪地裁に提訴したのは大阪市内や兵庫県内の元支店長5人。訴えなどによると、平日は午前7時に出社、午後9時から11時に退社し、休日出勤も常態化していた。残業は毎月平均で150時間程度に及んだが、会社からは時間外手当を支給されなかった。

日経03.6.14.
新入社員襲うリストラ不安 「デートより仕事」8割
生産性本部意識調査/「頼りは自分」意識強く

 今年度の新入社員は「デートより仕事が優先」と考える人が8割近くに上り、過去最高だったことが13日、社会経済生産性本部などがまとめた「働くことの意識」調査で分かった。就職先を選ぶ際、「会社の将来性」を最重視した人は過去最低の8%。不況下、リストラの不安を抱えて仕事を重視する一方、「頼れるのは自分だけ」という意識が浮き彫りになった。
 1969年度から毎年、新入社員を対象に就労意識について聞き、今回で35回目。今年3-4月に、東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで実施された新人研修に参加した74四社、3699人が回答。
 デートの約束があったときに残業を命じられた場合「仕事を優先する」とした人は79%に上り、同じ項目の調査を始めた72年度より10ポイント、バブル期の91年度より17ポイントアップ。過去最高に並んだ。
 調査の設計と分析を担当した社会学者の岩間夏樹さんは「昔の企業戦士≠フように仕事重視の傾向があるが、一つの会社に骨を埋めるとの考えは薄く、あくまで個人としてサバイバルしなければとの思いが強い」とした。

しんぶん赤旗03.6.14.
労働時間把握させよ
労基法改悪案で小池議員

 サービス残業(ただ働き)の温床となっている裁量労働制の拡大をねらう労働基準法改悪案。日本共産党の小池晃議員の質問(十二日、参院厚生労働委員会)で、裁量労働制を野放しに広げ、労働者の健康破壊をすすめる問題点が明らかになった。

過労死を広げる

 裁量労働制は、「八時間労働」の原則を崩し、働いた時間ではなく、ノルマの達成に対して賃金を支払うもの。裁量労働制が導入されている職場では、厳しいノルマに追われ、いくら残業しても残業代は支払われず、過労死や過労自殺が多発している。改悪案は、裁量労働制を本社以外にも導入できるようにするなど、ホワイトカラーのほとんどに裁量労働制を広げようとしている。
小池議員 脳出血や心筋梗塞(こうそく)など労災認定の対象者に、裁量労働制が導入されている専門技術職、管理職、事務職が多く、長時間労働が背景にある。裁量労働制を拡大すればどういう事態になるか、背筋が寒くなる。過労死を生まないように、厚労省として全力をあげるのが責務ではないか。
坂口力厚労相 過労死しないよう、労働時間を抑制することが大事だ。しかし、企業にも一気に仕事をしなければならないときがある。そうしたときに、どう健康管理をしていくか、指針を示す必要がある。

しんぶん赤旗03.6.14.
疲れて眠くて 頭くらくら
女性の24時間勤務/東武鉄道導入から2ヵ月

 女性の長時間、深夜労働が広がっている。東武鉄道(本社・東京)は、女性の24時間の駅勤務を4月から始めました。半数が50代の女性。2ヵ月がすぎたいま、勤務の実態は――。「眠くて、眠くて。一昼夜勤務の明けの日は、とにかく眠りたい」。五十代の女性は、目をこすりながら話す。

50代半数弱

 「貧血みたいに頭がくらくらする」、「足がつれて痛くて眠れない」、「病院やマッサージにいく回数が増えた」「手がしびれて病院にいったら、椎間板(ついかんばん)ヘルニアと診断された」。女性たちは、体の不調を訴える。北千住駅(東京)では、勤務中の女性がくも膜下出血で倒れ、病院に担ぎこまれた。また、「同居の親の介護で、一昼夜勤務はできない」と辞めた人もいます。日によって母親が家庭に居なくなったため、子どもが頭痛や精神的な不安を訴えた家庭もあった。
 一昼夜勤務は、午前9時から翌朝9時まで(駅によって多少異なる)の24時間勤務。女性は、一昼夜勤務と日勤を組み合わせて働く。勤務が2回もある職場もある。窓口の改札、ホームでの放送案内、特急券の発売などほとんどが立ち仕事。深夜における酔客とのやりとりもある。食事の時間は、一回約30分。休憩時間は、食事時間を入れて3時間です。女性たちは、「会社は、仮眠時間を四時間保障するというけれど、体力的につらい」という。

しんぶん赤旗03.6.14.
元支店長ら24人提訴
武富士 未払い残業代4.6億円

 サラ金会社大手の「武富士」(本社・東京都新宿区)の元支店長ら24人が13日、同社を相手に過去2年分の未払い残業代など総額4億6060万円の支払いを求める訴訟を、東京地裁(6人)、大阪地裁(5人)、仙台地裁(10人)、福岡地裁(3人)におこした。原告は北海道、東京、茨城、佐賀などに住む男女24四人で、いずれも支店長経験者と従業員で、現在は同社を退職している。
 同社支店での労働は、朝7時に出勤し駅前などでティッシュ配布、午前8時すぎから朝の請求業務が始まり、夜の8時50分まで続きます。その後も業務が続き遅いときは午後11時近くまで勤務することが常態になっていて、連日、415時間の時間外労働をしているという。

しんぶん赤旗03.6.15.
お父さん、無理しないで/残業月200時間、「眠れない」「すまない」と…
過労死・過労自殺110番/家族・遺族から相談相次ぐ

 「朝6時ごろ自宅を出て、帰宅はいつも深夜2、3時だった」――。14日に27都道府県で実施した「過労死・過労自殺110番」(過労死110番全国ネット主催)には、働きすぎが原因で亡くなったという相談が遺族などから相次いで寄せられた。相談件数総数は319件にのぼり、122件の労災補償相談のうち、脳・心臓疾患に関するものが70件、自殺は41件。また、過労死予防や働きすぎを心配する相談が155件とほぼ半数に達している。

しんぶん赤旗03.6.17.
大手企業 男性2割が週60時間労働
首相も「いき過ぎだ」

 日本共産党の八田ひろ子議員は、小泉純一郎首相が出席して開かれた16日の参院決算委員会の締めくくり総括質疑で、小泉内閣の二年間は倒産、失業など国民に耐えがたい痛みを押し付けただけとして、「長時間労働をなくして雇用増を」と迫った。
 小泉首相は、「週60時間は確かにいき過ぎだ。総実労働時間1800時間に向け、いろいろなとりくみが必要だ」と述べた。

しんぶん赤旗03.6.19.
深夜業免除の存続要請
日航客室乗務員組合、厚労省へ

 日本航空の客室乗務員の深夜免除勤務問題で、客室乗務員組合(飯田幸子執行委員長)が、17日、厚生労働省への要請をおこなった。
 日本航空(JAL)は4月以降、客室乗務員の深夜業免除申請者を75人に限定し、選にもれた人については、3泊4日の勤務か無給の休業を選択させている。会社側は8月からの新たな措置を発表。75人分の業務枠を申請者全員で分けあい、賃金は乗務した出数分を日割り計算するとしている。組合の試算によると、8、9月はそれぞれ4日程度しか乗務できず、賃金が8割カットとなる。要請には、JALに経営統合されるJASの乗務員も含め約20人が参加。航空労組連絡会の内田妙子議長も同席した。育児休業法の趣旨にのっとり、会社に指導するよう求める2万余の署名を提出。客室乗務員の1人は、「上の子のとき、父母にきてもらって国際線に乗務していた。下の子の深夜業免除で毎日帰れるようになり、子どもに安心を与えることができた」と訴え、これまでの深夜業免除の存続を求めた。

しんぶん赤旗03.6.20.
サービス残業急増/半年で22億円払う
都内66企業 東京労働局が指導

 東京都内の労働基準監督署の勧告・指導で支払われた時間外労働などに対する割増分をふくむ未払い賃金が、昨年度下半期だけで22億7000万円にのぼることが、19日までに東京労働局のまとめで分かった。
 割増賃金支払いの勧告・指導の対象となったのは、66企業、672事業場(本店、支店、営業所など)。半年間で支払いを受けた労働者数は2万1510人。
 前回のとりくみでは、01年一月から02年6月の1年半の間に、勧告指導の対象となったのは67企業1万5205人だったのに対し、15億円が支払われている。今回は半年間で、前回をはるかに上回る急増ぶり。

日経03.6.24.
たまった疲れ自分で診断/厚労省がチェックリスト
症状など質問20項目

 厚生労働省は23日、過労防止のため、労働者が自分で疲労蓄積度を診断できるチェックリストを作成した。「イライラする」などの自覚症状についての13項目と、1カ月の残業時間など勤務状況についての7項目の質問に回答し、点数化。それぞれの結果を掛け合わせ、仕事による負担度を判定する。同省は「職場の勤務状況の改善に役立ててほしい」としている。
 自覚症状についてはイライラのほか、「よく眠れない」「物事に集中できない」など最近一カ月の疲労の度合いについて質問。勤務状況では残業のほか、「不規則な勤務」「深夜勤務」などを聞いている。チェックリストは同省の外郭団体「中央労働災害防止協会」のホームページ(http://www.jisha.or.jp)に掲載している。

日経03.6.28.
改正労働基準法が成立/解雇判決にぶれなくなる/裁量権など担保必要
労働者に期待と不安

 「合理的な理由を欠く場合は無効」とする「解雇ルール」を初めて明記した改正労働基準法が二十七日、参院で可決、成立した。今国会では派遣期間の延長を認める改正労働者派遣法も成立。「不況下でどのように運用されるのか」。労働環境を大きく変える法律が次々と成立する中、労働者サイドからは期待と不安の声が交錯した。
労働関連法の主な改正点
【労働基準法】
・解雇は合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は無効とする
・有期労働契約期間の上限を1年から3年に延長(専門職と60歳以上は3年を5年に延長)
・企画業務型裁量労働制を本社以外でも導入可能にし、要件を緩和
【労働者派遣法】
・派遣期間の上限を1年から3年に延長
・製造業への派遣を解禁
・専門性の高い26業務について3年の派遣期間上限を撤廃
・派遣先が派遣期間終了後も継続して受け入れる場合、労働者本人の希望があれば直接の雇用申し込みを義務づけ
【職業安定法】
・地方公共団体に無料職業紹介事業を解禁

しんぶん赤旗030628
労基法改悪案が成立/共産党反対サービス残業合法化に
参院本会議/解雇の乱用禁止初めて法律明記

 労働者を不安定な身分で長時間働かせる労働基準法改悪案が、二十七日の参院本会議で自民、公明、民主、自由などの賛成多数で可決・成立しました。日本共産党と社民党は反対した。


メールマガジンダイジェスト

JIL労働情報/No.307(03.6.4.)

神戸製鋼所でサービス残業−賃金未払い、是正を勧告

 鉄鋼大手の神戸製鋼所(神戸市)が昨年10月から12月にかけ、加古川製鉄所(兵庫県加古川市)の社員約250人に、時間外賃金を支払わない「サービス残業」をさせた疑いが強いとして、加古川労働基準監督署から未払い賃金を支払うよう是正勧告を受けていたことが5月30日、分かった。
http://www.jil.go.jp/mm/kigyo/20030604.html

IT化で職務範囲が拡大、仕事の量が増加−連合総研調査

 連合総合生活開発研究所(連合総研)は5月30日、「ITの仕事と職場組織に与える影響に関する調査」の結果を発表した。業務のIT化が進展している企業ほど、個人レベルの仕事の範囲(職務領域)が拡大しており、このため仕事の量が増え、仕事に早さが求められる傾向にある。また、IT化で定型的な仕事が抑制される反面、「創意工夫が求められる仕事」や「自分で裁量・判断する仕事」が増えている。
http://www.rengo-soken.or.jp/it.htm

年俸制でも時間外賃金−支払い命じた判決が確定

 年俸制を理由に時間外割増賃金を支給しなかったのは違法として、大阪府の男性が以前勤めていた府内の測量会社に未払い賃金の支払いを求めた訴訟で、最高裁第二小法廷は5月30日、男性の上告棄却を決定。「年俸制の採用で、ただちに時間外割増賃金を支払わなくていいことにはならない」として、会社に120万円余の支払いを命じた大阪高裁判決が確定した。
http://www.jil.go.jp/mm/hanrei/20030604c.html

JIL労働情報/No.310(03.6.13.)

サービス業などで最大600万人規模の雇用創出−政府のプログラム

 政府の「530万人雇用創出促進チーム」は10日、サービス産業などを中心に、約500〜600万人+α規模の雇用創出を期待する新たなプログラムをまとめた。経済財政諮問会議が2001年5月に発表した「530万人雇用創出」の試算を参考に、各分野の業界の現状や今後の政策効果などを考慮して推計。必要な対策を講じることで、個人・家庭向けサービスで最大213万人、企業・団体向けサービスで最大210万人などの雇用創出を見込んでいる。
http://www5.cao.go.jp/shimon/2003/0612/0612item1.html

過労死の労災認定、160件に急増−02年度 厚労省まとめ

 厚生労働省は10日、2002年度の過労死などの労災認定状況を発表した。過労による脳・心臓疾患を労働災害と認定した件数は前年度より174件多い317件にのぼった。このうち過労死は160件で、前年度の58件から急増。昨年12月に労災認定基準を緩和した影響などが表れた。また、過労による精神障害の労災認定は100件(前年度70件)で、このうち過労自殺(未遂含む)は43件(同31件)に達している。
http://www.jil.go.jp/mm/siryo/20030613.html

JIL労働情報/No.311(03.6.18.)

郵政公社でサービス残業−熊本労基署が是正勧告

 日本郵政公社九州支社(熊本市)が残業した職員に時間外勤務手当の一部を支払っていなかったことが分かり、熊本労働基準監督署は14日までに労働基準法に基づく是正勧告を出した。同支社は事実を認め、7月末までに是正報告書を同署に提出する予定。
http://www.jil.go.jp/mm/kigyo/20030618a.html

希望者全員の深夜業を免除−日航客室乗務員、収入は減

 育児や介護のため深夜業務を免除する客室乗務員を75人に限定した日航に対し東京労働局が改善を指導した問題で、日航は15日までに、8月から希望者全員の深夜業務を免除することを決めた。免除された乗務員の基本給や乗務手当は、日割り計算で支給する制度に変わる。対象者には日帰り勤務が割り振られるが、数が限定されているため、1人当たりの乗務日数は大幅に減り、収入も落ち込む。
http://www.jil.go.jp/mm/kigyo/20030618b.html

「過労死・過労自殺110番」に300件を超える相談

 過労死弁護団全国連絡会議は14日、全国27都道府県で「過労死・過労自殺110番」の電話相談を行った。相談件数は334件にのぼり、働きすぎや過労死の予防に関する相談が160件、労災補償に関する相談が132件あった。
http://www.bekkoame.ne.jp/i/karoshi/japanese/topix/topix.htm

JIL労働情報/No.312(03.6.20.)

短時間労働者の雇用管理改善措置の指針改正で意見を募集−厚労省

 厚生労働省では、「事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置に関する指針」の一部改正について意見を募集している。指針の改正は、労働政策審議会雇用均等分科会による今年3月の提言を受けてのこと。通常労働者との均衡を考慮した短時間労働者の処遇の考え方などを示している。期間は7月16日まで。提出は郵送か電子メールで。
http://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/p0619-1.html

半年間に総額22億円の割増賃金支払いを指導−東京労働局

 東京労働局は18日、2002年10月から03年3月までの半年間に、時間外労働の割増賃金が適正に支払われていないとして、66企業の672事業場に対して勧告や指導を行ったと発表した。これにより割増賃金の支払いを受けた労働者数は2万1,510人で、支払総額は約22億7,000万円。前回集計(01年1月〜02年6月までの1年半)の1万5,205人、15億円を大幅に上回った。
http://www.roudoukyoku.go.jp/wnew/20030618-extra-wage/20030618-extra-wage.htm

正社員とほぼ同じ仕事の短時間勤務社員、半数以上の企業に−連合総研

 連合総合生活開発研究所(連合総研)はこのほど、「雇用区分の多元化と新たな働き方への課題」と題する調査報告書をまとめた。それによると半数以上の企業に「正社員と仕事内容や責任が8割以上同じ」という短時間勤務の社員が存在。このうち21.9%の企業が、短時間勤務社員に占めるその割合が2割以上と答えている。
http://www.rengo-soken.or.jp/houkoku/itaku/koyoukanri.gaiyou.pdf

JIL労働情報/No.313(03.6.25.)

過重労働による健康障害防止運動を展開−東京労働局

 東京労働局はこのほど、働く人の健康確保と疲労の蓄積による健康障害を発生させない職場づくりをめざす「過重労働による健康障害防止運動」を実施すると発表した。実施期間は今年7月から来年3月まで。
http://www.roudoukyoku.go.jp/wnew/20030618-irreplaceable/20030618-irreplaceable.htm

日本経団連ホームページ新着情報案内サービス 2003年 6月 5日

[日本経団連報告書等]2003年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果 [最終集計]
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2003/054.pdf

2003年春季労使交渉・中小企業業種別回答[了承・妥結含]一覧 [中間集計(6/5現在)]
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2003/055.pdf

[機関誌/出版物]
o 日本経団連集計、大手の春季労使交渉妥結結果−185社平均5391円、1.65%
o 日本経団連、2002年夏季・冬季賞与・一時金調査結果発表−夏・冬季とも前年比減/「能力・成果重視」強まる
o 中小の約4割で回答を提示
http://www.keidanren.or.jp/japanese/journal/times/index.html

日本経団連ホームページ新着情報案内サービス 2003年 6月18日

[日本経団連報告書等]
2003年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況 [中間集計(6/18現在)]
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2003/062.pdf

2003年春季労使交渉・中小企業業種別回答[了承・妥結含]一覧 [中間集計(6/18現在)]
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2003/063.pdf


労働組合の情報

行政情報
疲労度を自己診断できるチェックリストを作成−厚労省

 厚生労働省は23日、労働者が疲労度を自分で診断できるチェックリスト(疲労蓄積度自己診断チェックリスト)を作成し、公表した。最近1カ月の自覚症状や勤務の状況に関する質問に答えることで、仕事による負担度が4段階で判定される。
http://www.jil.go.jp/mm/siryo/pdf/20030625b.pdf




 労働時間短縮研究所では、時間短縮についてのあなたのとりくみの記事を募集しています。
 応募・送付方法は、メールでもフロッピーに入れたものを郵送していただいても結構です。

送付先

 大阪市中央区道修町3丁目3-10 大阪屋道修町ビル3階
 全日本損害保険労働組合大阪地方協議会気付け
 電話 06(6231)7466

メール送付先admin@jitan-after5.jp

トップページにもどる | ニュースクリップにもどる