第11号
2003年5月

新聞スクラップ


しんぶん赤旗03.5.3.
サービス残業をなくすまでたたかいつづける
徳洲会病院を訴えた 事務職 神保さん
地裁は212万円支払い命令/労基署指導に逆う病院側

 全国に152の病院・施設をもつ特定医療法人徳洲会を相手どり、未払いの時間外手当の支払いを求め、裁判を起こした野崎徳洲会病院(大東市)の事務職員、神保尚代さん(四七)=大阪市=。4月25日、大阪地裁が神保さんの主張通り、約212万円の支払いを命じた判決をうけ、こう語った。
 きっかけになったのは2000〜01年の労働基準監督署の調査。調査をうけ、サービス残業代の一部が支払われたが、タイムカードを控えていた神保さんは、資料をもとに全額の支払いを求め労基署に申告。「労基署のアドバイスで、病院とも交渉しましたが、話し合いがっかず、提訴になりました」
 神保さんは大阪医療労働組合連合会(大阪医労連に個人加盟し、たたかいがはじまった。
 「サービス残業のことはずっと問題意識にありましたが、なかなかいえる環境ではなかった」。神保さんは大学を卒業後25年間、同病院の事務職員として勤め、これまで無遅刻、無欠勤。恒常的に忙しい職場でしたが、10年ほど前に週休2日制が導入されても人員は増えず、「休むために残業をしている」という状態が続いた。しかし上司が残業が多い職員をリストアップするなど、タイムカードはあっても、残業時間を過少に申告せざるをえなかった。

しんぶん赤旗03.5.10.
サービス残業裁判 徳洲会が控訴断念
神保さんに212万円支払いへ

 野崎徳洲会病院(大東市)の事務職員、神保尚代さん(47)=大阪市=が同病院を経営する特定医療法人徳洲会を相手どり、未払いの時間外手当の支払いを求めていた裁判で、徳洲会側が9日、控訴を断念した。

しんぶん赤旗03.5.24.
厚労省 サービス残業解消へ指針
労働時間管理システム整備を

 サービス残業(ただ働き)解消に向け、厚生労働省は23日、総合対策要綱と指針を発表し、各都道府県労働局長あてに送付した。
 一昨年4月の厚労省通達以降、サービス残業にメスが入る一方でただ働きが依然として後を絶たず、サービス残業が行われない企業者が労働時間の適正な把握に努めるにとどまらず、職場風土の改革やチェック体制の整備を通じて労働時間管理の適正化をはかる必要があると強調しています。事業場ごとに労働時間の管理責任者を明確にし、実態把握や改善へ労使の協力を容も盛り込んでいる。

しんぶん赤旗03.5.28.
企業は時間管理の対策をとれ
サービス残業根絶・厚労省「指針」

 23日に厚生労働省がまとめた「サービス残業解消対策指針」は、2001年4月の同省「四・六通達」の内容を発展させ、サービス残業の温床として最大のネックになっている自己申告制を「やむを得ない場合に限られる」とし、使用者の労働時間の管理責任を改めて明確にするなど、ただ働きをなくすためにいっそう踏み込んだ内容となっている。
 「通達」後の実態も踏まえて、今回の「指針」は、サービス残業をやらせない企業にしていくために「通達」の順守を改めて求める一方、労働組合にたいしてもチェック機能の発揮を求めている。
 さらに、企業の責任で適正に労働時間管理を行うためのシステムを確立し、定着させる必要があるとして、出退勤時刻や入退室時刻の記録などを具体的に示している。
 始終業時刻の確認と記録は、使用者自らの現認やタイムカード、ICカードなどの客観的な記録を原則にし、労働者による自己申告制は「やむを得ない場合に限られる」と例外措置であることを改めて強調しています。自己申告制は時間管理をあいまいにして、サービス残業の温床になってきたもの。
 「指針」は、仕事のすすめ方にまで踏み込み、サービス残業を前提とした業務がおこなわれているような場合は、業務体制や業務指示の見直しを求めている。
 また、人事考課でも、サービス残業をした労働者も、これを許した管理者も評価しないように徹底することなども盛り込んでいる。
 加えて、責任体制の明確化とチェック体制の整備を提起。指揮命令系統にない管理者の配置でダブルチェックを行うことや、企業トップが直接サービス残業の情報を把握できる投票箱を設置するなど、労働時間管理の経営責任を要望。労働組合にも相談窓口の設置など必要な対応を求めている。

しんぶん赤旗03.5.31.
労基法改悪 労働時間規制を守れ
山口議員 裁量労働の拡大を批判

 日本共産党の山口富男議員は30日の衆院厚生労働委員会で、労働基準法改悪案について質問た時間しか働いたと認めない裁量労働の適用拡大についてただした。
 取り上げたのは、全ホワイトカラーに裁量労働を広げることを視野に、社員の30%に導入した電機大手・NECの例。山口氏は「ホワイトカラーの業務すべてが企画型裁量労働に該当することとなるものではない」との労働基準局長通達(1999年1月)に照らしても、「無限定にホワイトカラー全体に広げることは認められない」と批判した。
 厚労省の松崎朗労働基準局長は、「ホワイトカラーなら何でも、ということにはならない」と答弁した。


メールマガジンダイジェスト

JIL労働情報/No.299(02.5.7.)

公正労働基準法改正案−恩恵を得るのは誰か?/アメリカ

 JILは「米国労働省は2003年3月31日に公正労働基準法の改正案を公表した。90日間の告知コメント手続期間をおき、6月30日の締め切りのあと、寄せられた意見を参考にしながら修正を加えたのちに施行される予定である」と報た。しかしこれは公正労働基準法(Fair Labor Standard Act)の修正ではなくFLSAに基づく連邦規則29CFR541の修正のこと。念のためにいえば、FLSAを修正する権限を有するのはあくまでも議会であって、行政機関である労働長官は日本でいう省令にあたる規則を制定する権限を有するのみ。閣僚や役人は法律を自分の都合で制定したり修正したりできるわけがない。いずれにしてもこの規則制定手続の詳細は以下のPDFファイルで入手できる(労働時間短縮研究所註)。

http://a257.g.akamaitech.net/7/257/2422/14mar20010800/edocket.access.gpo.gov/2003/pdf/03-7449.pdf

 いずれにしても残業手当の支払規定の適用を免除されるExempt従業員と、免除されないNon-exempt従業員の区分方法を簡素化することを目的

JIL労働情報/No.301(03.5.14.)

サービス残業解消のための指針を策定へ−厚労省

 坂口厚生労働相は13日の会見で、サービス残業の解消に向けた指針を策定する考えを明らかにした。キャンペーン月間を設けるなど総合的な解消対策指針を策定し、この問題に取り組む方針を示した。
http://www.mhlw.go.jp/kaiken/daijin/2003/05/k0513.html

JIL労働情報/No.302(03.5.16.)

「サービス残業」と「賃金不払い残業」

 「サービス残業と言うと、なんとなく感じとして、"サービス"という言葉が付いているので、何かサービスしているように取られるが、日本語で"賃金不払い残業"と言ったほうが良い」。13日の閣議後の記者会見で坂口厚生労働大臣が、世間一般で言われているサービス残業の呼称に噛み付いた。そのうえで、その解消のための総合対策を近く発表すると言明した。
http://www.jil.go.jp/mm/ym/20030516.html

テレワーカー、就業者人口の2割に−新IT戦略案、2010年までに

 政府のIT戦略本部は15日に会合を開き、新IT戦略案(IT基本戦略2)を公表した。インターネット普及などの環境変化を踏まえ、現在の戦略を改定。IT活用に向けて、7つの分野で具体的な数値目標を設定した。「就労・労働」の分野では、2010年までにテレワーカーを就業者人口の2割にすることや、電子的手段で情報を入手して就職する人の数を、05年度までに年間100万人にすることなどをあげている。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/dai18/18gijisidai.html

JIL労働情報/No.306(03.5.30.)


深夜早朝の待機も労働時間−住み込み管理人の賃金訴訟

 マンションの住み込み管理人をしていた埼玉県川口市の女性(63)が「就業規則上の労働時間外の深夜早朝も仕事があるのに、賃金が支払われていない」として、東京の管理会社に約1,900万円を求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、約800万円の支払いを命じた。女性の代理人弁護士は「住み込み管理人の待機時間を労働と認めた判決は珍しい」としている。
http://www.jil.go.jp/mm/hanrei/20030530c.html

日本経団連ホームページ新着情報案内サービス 2003年 5月21日
2003年春季労使交渉・大手企業業種別妥結一覧 [中間集計(5/21現在)]
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2003/047.pdf

2003年春季労使交渉・中小企業業種別回答[了承・妥結含]一覧 [中間集計(5/21現在)]
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2003/048.pdf

日本経団連ホームページ新着情報案内サービス 2003年 5月30日

[日本経団連資料]
2002年夏季・冬季「賞与・一時金調査結果」について
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2003/053.pdf

労働組合の情報

行政情報
「賃金不払残業」の解消に向けた指針を策定−厚労省

賃金不払残業の解消を一層推進するため、次の対策を盛り込んだ「賃金不払残業総合対策要綱」(通称:サービス残業総合対策要綱)を取りまとめるとともに、指針を策定した。なお、要綱、指針ともに5月23日付けで都道府県労働局に通達した。
http://www.jil.go.jp/mm/siryo/20030528.html




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